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次回予告

来週の・・・・・ ウルトラマンファイア は

          幻に咲く花
                          
             お送りします


進化生命 アルケミラ 登場。

地球上で最も繁栄している生命体・・・それは植物である。
遺伝子操作の果てに、植物がその進化を果たしたとき、
生き残るのは植物か、それとも人間か。

来週のウルトラマンファイアをご期待下さい。

提供は、鷹見作品工業株式会社でございました。

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#8 北へ!(後篇) (Bパート)

←Aパート


12、氷山 

8-5
                           
       測量船を乗っけた氷山を間に挟み、
       ペギラとドモスが睨み合う。

8-6

       ドモス、氷山に2,3発ツッパリを入れ、ペギラを牽制。
       対するペギラ、羽ばたいて大風を起こし、
       砕けた氷塊が風に乗ってドモスの顔面に当たり、
       痛がるドモス。

13、測量船そば                         

       2匹の怪獣の立てる地鳴りの中、出てきたヒダカ。
ヒダカ 「右も左も怪獣か・・・・・。(発見)!」

14、その遠方                          

8-8

       雪煙を上げて、こちらに向かってくるトドラ。
       その足元で、死に物狂いで逃げるハラとイヌイ。
イヌイ 「ソードからドンドン離れてく! どこ行くんスか!」
ハラ  「わがんね! アイツのいない方だ!」

15、氷山                            

       ペギラもトドラの接近に気づく。
       ぶわり、飛び上がるペギラ。

16、測量船そば                         

ヒダカ 「むっ!」
       ペギラの浮上に伴う無重力地帯に巻き込まれ、宙に舞うヒダカ。

       飛び上がったペギラに突進しようとするドモス、
       届かず氷山に突っ込み、粉砕される氷山。

       トドラ、ペギラの接近に気づいて停止。
       そこへ飛びかかるペギラ、2匹はもみ合いに。
       難を逃れたハラ、イヌイ。
イヌイ 「漁夫の利・・・・・」
ハラ  「ヒイーッ、危機一髪!」
       二人の上から真っ逆さまにヒダカが落ちてくる。
       墜落。
ハラ  「なんてもんが降ってくるんだ!」
イヌイ 「とかく空は危険である・・・・・」

      ×       ×        ×

       3つ巴の戦いになる怪獣達。

       ペギラの反重力突風で浮き上がるドモス、トドラの頭を直撃。
       頭にきてつかみ合いの2匹、はやし立てるペギラ。

       トドラの牙と、ドモスの腕がガッチリ組み合い、
       互いを投げ飛ばそうとする。
       浮いたのはトドラの体、そのまま高く放り投げられる。

       出現するオーロラ、吸い込まれてトドラが消える。

8-7

      ×       ×        ×

イヌイ 「あっ、あれだ! あれが出口だ!」
       オーロラに向かって駆け出すイヌイ。
ハラ  「待て!」
イヌイ 「何スか!? あれが消えたら、自分達ここで野垂れ死にっスよ!」
ハラ  「ナナセがいねえ」
イヌイ 「!!」

       2人の後ろから、

ヒダカ 「2人とも、先に行け」
ハラ  「大将!?」
ヒダカ 「リオは僕が探しておく。君らは先に行って本部に事のあらましを伝えるんだ」

イヌイ 「! オーロラが消える!!」
ハラ  「大将・・・・・」
ヒダカ 「これは命令だ。また会おう」

       悲鳴、手負いのペギラがオーロラへと逃げ込み、消える。

       その反重力に巻き込まれ、ハラとイヌイもオーロラの中へ。
       それを追って進むドモス。

8-9

       掲げられたブレイズタイマー。
       フラッシュビーム!

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       ウルトラマンファイア登場。
ファイア「ダアッ!」
       ドモスを羽交い絞めにし、動きを止める。
       消滅するオーロラ。

17、海上                             

       S「太平洋 p.m.12:20」
       海上に揺らめいていたオーロラが、次々に薄くなり、消える。

18、FAST作戦室
                        

       S「同時 統合司令室」
ムカイ 「(デスクに座って)次元異常、消滅を確認」
       ジェイ、パイプを口から外し、深い息。
ジェイ 「これで更なる行方不明者が出ることもあるまい。特専
     ・・・・・彼等は職務に殉じた者として賞賛に値する」
       ジェイに向き合うサワタリ。
サワタリ「ここは禁煙です」
ジェイ 「アア、悪かった」
       作戦室から出て行くジェイ。

アカツキ「サワタリ隊長・・・・・?」
サワタリ「上からの命令は絶対だ。だが、一応彼らも・・・・・同志であったからな」

19、本部・廊下                          

       歩くジェイ。
サワタリ「(OFF)それに、命令が何か、我々を救助には向かわせない、いや、
     事故現場に近づけず、何かを隠そうとしたように思えてな―――」
       ジェイの携帯電話が鳴る。
ジェイ 「私だ・・・・・。何!?」

20、雪原

       カラータイマーが鳴り響くが、ファイアやはりBurst Limitになれない。
       ドモスにマウントポジションを取られ、身動きがとれず。
       音のするタイマー目掛けてドモスが次々殴りかかる。
       点滅を増すタイマー、と、タイマーから光が漏れ出す。

       まさにエネルギーの暴走が臨界、爆発を向かえようとしているのだ!
       発せられる熱波に吹き飛ばされるドモス。

       ファイア、Burst と Quiet の間の変化を繰り返し、
       その体内から放出されるエネルギーが、周囲の雪を蒸発させる。

       苦しむファイア、ゆっくりとソルゼウムの構え。

       その照準を、気絶したドモス―――ではなく天に向け発射する。
       一瞬でかき消される分厚い雲。

8-10

       そのまま、ファイアの姿が薄くなり、消える。

21、雪原(地上)                         

       ブレイズタイマーを閉じるヒダカ、ひどく疲労している。
ヒダカ 「(OFF)もし街で力が暴走してしまったら・・・・・いや、
     今はそのことより、リオを探さなければ」
       一歩踏み出すヒダカ。
ヒダカ 「リオーッ!」
       虚しく木霊する。(F.O)

22、雪原(回想)                         

ヒダカ 「(OFF)それから丸一日位歩いた頃かな、歌が聞こえてきた」
       クオンの群れを見つけるヒダカ。
       群れに囲まれてリオが眠っている。
       ヒダカ、リオに息があることを確かめホッとする。

リオ  「(回想・N)そうです。私は・・・・・クオンの子供を群れに返して
      ・・・・・それから記憶がないんです」
       そっとブレイズタイマーをかざすと、その光を浴びて眼を覚ます。

リオ  「(回想・N)気づいたら隊長がいて・・・・・」
ヒダカ 「(回想・N)きっと子供を返してくれた恩返しに、
     それまでクオン達が守ってくれたのさ」

8-11

       クオン達が羽を震わせ歌っている。
       2人が見上げた空に、現れるオーロラ。
ヒダカ 「(回想・N)どうやらクオンの奏でる波動に同調してオーロラ、
     いや、その次元の裂け目が生まれるらしいのです」

23、太平洋上・巡洋船                       

       S「北太平洋 p.m.12:26」
       LEAD中央支部の調査船に救助された特専の4名。
       毛布に包まって、パリ支部の隊員に聴取を受けていた。

隊員  「OK。事情は分かりました」
       立ち去る隊員。
ヒダカ 「でも無事、全員帰ってこれてよかったよかった」

24、異空間(その数十分前)                            

       上下左右が無い空間を泳ぐヒダカとリオ。
       出口が光る。

25、太平洋上                           

       海中に落下する2人。
       腰に装備されたカプセルを海に投げると、
       カプセルは膨らみ、浮き袋になる。
       海上に浮き上がる2人。

ハラ  「大将! ナナセ!」
       ハラとイヌイが泳いでくる。
ヒダカ 「な、ちゃんと戻って来たろ?」
       イヌイ、小さなボタンを取り出し、
イヌイ 「数分前に救難信号を出しておきました。
     そろそろ救助がくると思う・・・・・」
ペギラ 「(OFF)ピギャーオ!」

       その声に驚き、見上げる4人。

       オーロラからペギラが出てくる。

       キーン・・・・・

       そして飛行音。
       ペギラ、そしてオーロラに向かってソードBLUEが飛んでいく―――
       S「北太平洋 a.m.11:45」

26、LEAD極東基地内・廊下                   

       英語で電話中のジェイ。
ジェイ 「(邦訳)そうか。彼等はそのような世界に・・・・・。
      しばらく『先を見る者』の実験は凍結だ。但し、実用の可能性はついた」
       電話を閉じる。
ジェイ 「(邦訳/字幕)彼らが見た世界は、過去か・・・・・それとも
     未来か・・・・・」
                                             (F・O)

                      《 以下次回 》

 <登場怪獣>

重甲怪獣 ドモス
冷凍世界の生態系の頂点に君臨する豪腕怪獣。
その怪力も大きな武器だが、極寒に耐えられるように
発達した皮下脂肪は相手の攻撃を吸収するクッションとなる。
肉食でクオンの群れを襲っては食らう。
クオンの羽が共鳴して発生させる音波が大の苦手。

南極怪獣 ペギラ
核実験の影響で怪獣化したペンギン。
マイナス130℃の冷凍光線は反重力現象を起こす。
この反重力を使い体を浮かせ、両翼で舵を取り飛行する。

牙獣 トドラ
異空間に住むセイウチに似た怪獣。
目の前のものを何でも襲う性質がある。
最後はオーロラによって別次元に迷い込んだようだ。

次元竜鳥 クオン
異空間に住む小型の怪獣。
新生代暁新世に繁栄した恐鳥類に似る。
1匹のリーダーを中心に群れをつくる。
ドモスが天敵だが、羽を共鳴させて放つ音波で
これを撃退もできる。
この共鳴音波がブルトニウムの次元震動と同調し、
2つの次元がリンクしてしまった。



前後編の後篇。
氷河期にならって、キバもち怪獣総進撃。

いやに時間軸を強調したのは
最後の時間移動のつじつまを合わせるため。

つまり、
特専が最初に見たペギラ=異次元から帰ってきたペギラ
というわけで、
一瞬でペギラが南太平洋から北太平洋にワープしたことを
説明できるわけで、

通常世界と冷凍世界の時間軸がズレているため
(話の叙述的に)次元異常収束前に
入ったときと入れ替わりで、特専は帰ってきていたことになる。

こうやって時間軸をぐっちゃにしてオチを創る天才といえば
藤子F先生ですね。
「魔界大冒険」なり「ドラえもんだらけ」なり。
伏線の張り方、整合性としては
SFモノで最高峰といっても間違いないでしょう。

そしてトドラは四次元に消えた・・・

⇒次回予告

#8 北へ!(後篇) (Aパート)

空想特撮シリーズ
ウルトラマンファイア


   北へ! (後篇)


登場人物

      ヒダカ・マコト
      ナナセ・リオ
      ハラ・カツヒコ
      イヌイ・ケイスケ

      アカツキ・マヤ
      イザキ・シュウジ
      ムカイ・イチロウ
      サワタリ・イサミ
      
      ホシノ・イサム

      ジェイ(パリ支部副指令)
      隊員(パリ支部)


      南極怪獣ペギラ
      重甲怪獣ドモス
      次元竜鳥クオン
          ベビークオン
      牙獣トドラ

      ウルトラマンファイア


「ウルトラQ 空想特撮シリーズ」

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1、 前話リフレイン                         

N   「前触れなく太平洋の上空に出現した謎のオーロラ。
     巻き込まれた特専は、吹雪の舞う怪獣無法地帯に不時着してしまう。

     一方、LEAD極東支部に訪れたLEADのナンバー2、ジェイは
     突然、太平洋一帯の立ち入り禁止命令を発し、
     特専の捜索を打ち切ったのであった」

2、 海上                              
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       妖しく揺らめくオーロラ。

3、 タイトル                            

      「ウルトラマンファイア」

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      「北へ! 後篇」

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(F・I)クレジット・タイトル――       (F・O)

      「重甲怪獣ドモス
       南極怪獣ペギラ
       牙  獣 トドラ
       次元竜鳥クオン
             ベビークオン 登場」
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4、LEAD基地・統合司令室                    

       S「LEAD本部・統合司令室 a.m.11:58」
       FAST、そして向かい合うホシノ、ジェイ。
ジェイ 「現在を持って太平洋全域、空、海の航行全てを禁ずる!
     いかなる理由があろうと、何者も立ち入りは許さない」
アカツキ「太平洋の全面封鎖!? いきなりそんな・・・・・」
ジェイ 「今太平洋一体に現れているオーロラは普通のものではない」

       一瞬沈黙するFAST。
ムカイ 「は・・・・・。本来極地付近で観測されるオーロラが、
     ここまで広がるのは確かに異常です」
ジェイ 「あれはオーロラではない。次元の裂け目なのだ。
     怪獣もソードBLUEも、恐らくはその次元の裂け目に落ち、
     我々とは別の次元に消えたのだ。

     よってあのオーロラがある限り、
     第2第3の行方不明者を出す危険がある」
サワタリ「・・・・・少し荒唐無稽過ぎます。何故そうだと言えるのです!?」

ジェイ 「―――某国が、密かに時空湾曲装置の実験を行い、そして失敗した」
アカツキ「時空湾曲!?」
ジェイ 「俗語で言えば、タイムマシンだ」

       壁時計が十二時を指す。

5、 雪原                             

       空に向かって信号弾を打ち続けるハラ。
イヌイ 「(ハラの後ろから)ヒダカさんもナナセも、戻ってこないっスね・・・・・。
     このまま自分達、怪獣に食べられるか、氷のミイラになるか・・・・・」
ハラ  「泣き言言ってる暇があったらソードを直せ! コンチクショウ!」
       自棄になってもう一発信号弾を放つ。
イヌイ 「思ったンスけど、ソードやシーバーが狂ったのは、
     あのオーロラを抜けてからじゃないスか。だから、あれをもう一度くぐれば、
     元の世界に戻れるんじゃないかって・・・・・」
ハラ  「で、そのオーロラがどこにあるんだ? ん?」
イヌイ 「それは・・・・・」
       白い雲一面の空を見上げていると、
       グラグラ! 地面が揺れる。

8-3

       氷山をかち割り、牙獣トドラ出現。

イヌイ 「また新しいのが出た! 信号弾に釣られて出て来たんスよ!」
ハラ  「まったく、どうなってんだ、ここは!」

6、 そこから離れた雪原 
                     

       目を覚ますリオ。
ベビークオン「キュオン・・・・・」
       刷込み、でリオになつき、擦り寄るベビークオン。
       懐に何か感触を感じたリオ、球体の殻を見つける。
リオ  「これは、あなたの卵だったの?」
       ベビークオン、その羽を小刻みに震わせている。
       立ち上がって辺りを見回すリオ。
リオ  「私もあなたも、みんなとはぐれてしまったみたい」
ベビークオン「クオオン」
       不安げ。
       その様子をみて、リオ、気合を入れる。
リオ  「探しに―――いかなくちゃ」
       寒さを堪えながらも、歩き出すリオ。
リオ  「そうだ、あなたの名前、『クオン』と呼ぶわ」

7、 統合司令室                          

       S「p.m.12:04」
ホシノ 「次元、特に時空移動の実用試験には、歴史の混乱をもたらす虞があるため
     厳重に禁止されているはずでは?」
ジェイ 「一部の科学者が暴走した結果だ。我々の眼を欺き、
     大海の中心で実験を行った。だが案じることはない。

     次元異常はある程度広がった後、収束を始めている。
     計算ではあと十五分程度で、次元断裂は完全に消滅する。
     それまで君達は、人々がくれぐれも太平洋へ出ないよう注意してほしい」
イザキ 「消滅・・・・・。(ハッとして)すると中の特専は・・・・・!?」
ジェイ 「彼らが戻ってくる事は不可能だ」

8、 雪原
                             

       厚く積った雪を踏み締め、リオが歩く。
リオ  「白一色、綺麗だけど・・・・・何も無くて味気ないわ」
ベビークオン    「キュオン・・・・・」
リオ  「まるで世界全体が凍ってしまっているみたい。人間は
     生きていけない世界ね・・・・・」
ベビークオン
    「キュウ!?」
リオ  「そうか。あなたの仲間はここで生活しているものね」
       リオの腕から飛び出し、着地したBクオン、羽を鳴らし始める。
       コロロ・・・・・。
       その美しい音に、思わずウットリ、
       さらにそれが高じて目蓋が重くなるリオ。
リオ  「いけない、いけない! あ!?」
       遠くを見つめて、
リオ  「聞こえる・・・・・」

9、 氷山                             

       リオが通り過ぎた場所から遠く見える氷山。
       その頂に、測量船がある。

10、 測量船内                         

       カチカチに凍りついた船内を、ヒダカが調べていた。
ヒダカ 「(OFF)これもあのオーロラに迷い込んだ船か?」
       一番ひどく凍りついたドアを蹴破る。

11、 測量船内・実験室                       

       直前まで実験が行われていたような室内、
       奇妙な氷付けの機械を残し、そこから人の姿だけが消えている。
ヒダカ 「(OFF)まるで幽霊船だ・・・・・」
       機械の中に安置された鉱石。

ヒダカ 「(OFF)ブルトニウム鉱石。空間を歪める波動を出す
     奇妙な宇宙石だ・・・・・なぜこんな所に」
       改めて辺りを見回す。
ヒダカ 「(OFF)そうか。これは人工的に作られた時空移動装置・・・・・
      この船はその実験場というわけか。

      そして何らかの実験の拍子に、この鉱石が
      この世界と僕らの世界が繋げたわけか―――」
       鉱石を機械から取り出そうとするが、
       凍り付いて装置が開かない。

8-2

       そこでヒダカ、ブレイズタイマーをかざす。
       タイマーからの熱で、氷が溶ける。
ヒダカ 「!」
       その時、激しい地響きが発生、揺れる船。

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