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次回予告

来週の・・・・・ ウルトラマンファイア は

          炎が消える日
                          
             お送りします


超人間 ケムール人 登場。

激しい戦いの末、ウルトラマンファイアは限界の刻を迎えようとしていた。
そして始まる史上最大の侵略。
2億年前の海底隕石から最強の怪獣が蘇る。

来週のウルトラマンファイアをご期待下さい。

提供は、鷹見作品工業株式会社でございました。

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#10 超人間の伝言 (Bパート)

←Aパート

18、駅   
                           
イヌイ 「ヒダカさん! ヒダカさん!」
       倒れているヒダカを起こすイヌイ。

イヌイ 「シーバーの危険信号が出て、ソードでとんで来たんスよ」
ヒダカ 「はは・・・・・心配かけたな・・・・・すぐ立てるさ」

       しかし、体の自由が利かない。

10-6

       ブレイズタイマーにそのエネルギーの殆どを封じている
       ウルトラマンファイアにとって、タイマーは分身そのものであり、
       ヒダカは、これを失うと自由に動けなくなるほど疲労するのだ。

ヒダカ 「(胸を探って)ブレイズタイマー! そうか、あの時・・・・・」

       みぞおちを押さえながら、リオが現れる。

リオ  「隊長・・・・・ハラ隊員が・・・・・」

19、林の中の湖(夜)                       

       湖に身を隠すUFO。

20、UFO内                           

10-7

       広いドームのような室内。
       中央に水の球体が浮いている。
       液体人間から、新参の人間達に小さなドリンクが渡される。

液体人間女
     「これで私達のように、窮屈な肉体を捨て、私達のように自由な体へ進化できるわ」

       ハラにも鹿嶋からドリンクが手渡される。

鹿嶋  「よく来てくれたな、ハラ。超人間になれるぞ」

       黙って受け取るハラ。

21、シークレット・ロード                     

       飛ばしに飛ばすソードBLUE(ラプトルフォーム)

22、ソードBLUE内                       

       高熱を患ったようにぐったり座るヒダカ。
リオ  「隊長――ホントに大丈夫ですか・・・・・随分体が――」
ヒダカ 「ハハ・・・・・。心配ない。それより早く、僕の言ったとおりの場所に行くんだ・・・・・」

リオ  「ハラ隊員、宇宙人たちとUFOに乗りこんでいったんです。一体何をしようと――」
ヒダカ 「ハラの考え、あの性格なら・・・・・」
リオ  「(不安) なら・・・・・!?」
イヌイ 「相手の懐で、ドカーッ! とやらかすつもりっスよ!」
                                                 (O・L)

23、UFO内                           

       ドリンクを叩きつけるハラ。

鹿嶋  「!!」
ハラ  「また水になって逃げられちゃいけねえからよ。わざわざここまで出向いてきたのさ!」
       ざわつく人々。
デラ星人1
    「反乱か!?」
デラ星人2
    「消え去れ! 下等な人間め!」
       UFOの中央に安置された水の球体が光る。
ハラ  「うおっ!!」
       球体から発射されるビーム。

       間一髪、交わすハラ。

       しかしそのビームは背後にいた他の人間に当たり、
       当たった者は、体が水に変化して球体に吸い込まれてしまった。

男1  「ひいっ! き、消えた!?」
鹿嶋  「デラ星人・・・・・今のは――!?」

デラ星人1
    「我々の星は人間の生体水分を必要としている」
デラ星人2
    「我々の一部になるのが地球人にふさわしい未来、最高の進化だ」
       球体から次々とビームが照射され、人間達が吸い込まれていく。

       悲鳴、逃げ回る人々。

デラ星人2
    「その水を飲むことで我らと一体化する権利を与えられるのだ」
       ハラ、隠し持っていたオーヴァル・ショットを取り出し、射撃。

       しかし、液体化するデラ星人にはビームが効かない。
鹿嶋  「ハラ!」
ハラ  「隠れてろ! あの光線に当たったらおしまいだぞ! 
     心配すんな! 俺だって一応LEADの隊員だ!」

       デラ星人をタックルして押さえつける。
       しかし液体化し、スルリと抜け出す星人。
       逆に首を絞められる格好になるハラ。

ハラ  「ぐふぅ・・・・・」
鹿嶋  「ちくしょお! このインチキ宇宙人め!」

       鹿嶋、液体化して星人の顔にからみつく。
       苦しみもがく星人。

       そこに、

       ドゴオ!
       UFOの壁を突き破り、ソードBLUEが現れる。

イヌイ 「さあ、早く乗って! ここが浸水する前に!」
ハラ  「(安堵)おお・・・・・気が利いてるじゃねェか。帰り道どうしようかと思ってたとこだ」

24、湖                              

10-5

       急浮上するソードBLUE(タートルフォーム)。

リオ  「(OFF)デラ星人は、人間の水分を狙って人間を改造し、
     連れ去ろうとしていたんですね!?」

25、ソードBLUE内                       

イヌイ 「液状になる人間。まさに人間の常識を超えた・・・・・いや、人間でいいのかな!?」
ハラ  「おらイヌイ、窮屈だから今は変化してるが後ろに乗ってんだぞ」

       液体の塊が後部にたまっている。

ハラ  「しっかし、よく円盤の在り処がわかったなあ・・・・・」
リオ  「隊長の指示でまっすぐ来たんです。でもどうやって・・・・・」

       ヒダカがソード内にいない。

ハラ  「大将がいねェ!」                (O・L)

26、UFO内                           

       フラフラの状態で立つヒダカ。
       ソードの開けた穴から浸水し、今や爆発寸前のUFO。
デラ星人1
    「(ブレイズタイマーを持って)これを目印に探られたか」
デラ星人2
    「しかしこれがなければ本来の姿に戻れないだろう」
デラ星人1
    「我々の計画は揺らがない」
       二体のデラ星人、液状になって融合、その中にブレイズタイマーをとりこみ、
       さらに湖の水を吸い込んで巨大化していく。

       崩れるUFO内で、動きのニブいヒダカ、埋まってしまう―――

27、湖岸                             

       湖から離れ、林の中に着陸したBLUE。

28、湖  

10-8
                            
       水が引き、地肌が露になった湖底から、巨大デラ星人が立ち上がる。

10-9

29、湖岸                             

       星人は酸性の水流を吐き、木々を枯らしていく。

       森に着陸していたソードが丸見えになった。
ハラ  「やばい! 見つかったあ!」

30、ソードBLUE内                       

リオ  「あっ! FASTだ!」

31、その上空                           

       イレイザーソードREDが2機、飛んでくる。

32、サワタリ機                          

サワタリ「我々はお前を敵対的存在と認定している!
      即刻地球から立ち去らなければ攻撃を開始する!」

33、湖岸                             

       酸性水流を警告するソードに吹きかける星人。
       旋回して避ける。

アカツキ「隊長!」
サワタリ「全機、攻撃開始!」

       ソード機、マルサイト・レーザーの同時攻撃。
       しかし星人、攻撃で開いた穴も水が流れるように
       体組織が流れ込み、塞がってしまう。

34、サワタリ機                          

イザキ 「(無線/OFF)ムカイ、奴の弱点は何かないか!?」
       モニターに星人のサーモグラフィー、一点が異常の高温を示している。

       そこは星人がブレイズタイマーを取り込んでいる場所であった。

ムカイ 「!?・・・・・隊長、ここを狙ってみて下さい!」

35、湖岸                             

       星人の腰に集中砲火、たじろぐ星人。
       デラ星人の体内からブレイズタイマーがはじきとび、湖(だった場所)へと落ちていく。
アカツキ「やったか!?」
       しかし液状化、再生する星人。

36、湖                              

       落ちてくるブレイズタイマー。
       それに伸ばされる手。

37、変身シークエンス                       

hensin1

hensin2

hensin3

       ウルトラマンファイア登場。

38、湖岸                             

       焦る星人。液状化して逃げようとする。

10-10

       ファイア、一歩退いて両腕を空にかざす。
       頭上に生成される巨大な光学レンズ!

       オーバーワイド・ミラー!
       太陽光を増幅した光線を受け、乾燥・硬直する星人。
       エネルギーを消費して膝をつくファイア。

       その背後から、ソード2機が飛来、
       マルサイト・レーザーが乾燥した星人を爆破、蒸発させる。

39、サワタリ機                          

       ファイアと頷きあうサワタリ。

40、湖岸                             

       ファイア、空へ―――と立ち上がった瞬間、
       カラータイマーが異常な明滅を始める。

       ファイアの全身から立ち昇る赤い光。
       付近の木々が自然発火を始める。
       苦しみもがきだすファイア。

41、サワタリ機                          

ムカイ 「ウルトラマンの体温が急上昇しています! まるで・・・・・太陽のような・・・・・!」
サワタリ「・・・・・!? 
     (何かに気づいたように)全機、冷凍弾用意!」

42、アカツキ機                          

サワタリ「(OFF/無線)ウルトラマン上空に照準!」
アカツキ「隊長!?何を・・・・・!?」
サワタリ「(OFF/無線)説明は後だ! 急げ!」

43、湖岸                             
       もがくファイア。
       その上空に2機のソードRED。

44、サワタリ機                          

サワタリ「投下!」

45、湖岸                             

       ファイアの頭上で炸裂する冷凍弾。
       見る間に氷付けになるファイア。
       
       しかし、すぐに氷は溶けてしまう。

       と、異様な光を放っていたタイマーが通常の点滅に戻る。

       ファイア、光の粒子になって消える。

46、サワタリ機                          

サワタリ「暴走、か―――」

47、湖近く                            

リオ  「隊長!」
イヌイ 「ヒダカさん!」
       ヒダカを探していた二人、歩いてくるヒダカを見つけ、駆け寄る。
リオ  「なんでソードからいなくなったンですか!?」
ヒダカ 「定員オーバーだったからな、降りた」

イヌイ 「(呆れ)降りたって・・・・・」
リオ  「何より全員無事でよかったです」
イヌイ 「あれ? ハラ隊員は?」
リオ  「あれれ? さっきまでそこに・・・・・」

       ハラ隊員を探しに行く2人の後ろで、
       タイマーをとりだして見つめるヒダカ。

48、湖岸                             
鹿嶋  「俺は普通の人間でいることが堪らなく苦痛だった・・・・・
     だからあの宇宙人に超人間にしてもらったのさ・・・・・」
ハラ  「なに言ってんだ。俺だってただの人間だ。
     ほら(と、腹を叩く)腹だってでてるし、足だって――短けェしよ」

鹿嶋  「だがお前は立派なLEADの隊員だ・・・・・俺は普通の人間で、
     毎日同じことで過ごして・・・・・つまらなかったのさ・・・・・。
     ウルトラマンに会ったら伝えてくれよ。本当は俺もあんな力が欲しかった、と・・・・・」

       背を向ける鹿嶋、液体化してハラの前から消える。

ハラ  「鹿嶋!」

       しかし鹿嶋の姿はどこにも見えず。

ハラ  「でも俺達は人間なんだ。どんなことがあってもな」

       枯葉の揺れる草地―――
                                             (F・O)
 
                    《 以下次回 》


<オマージュのみなさん>

村田警部⇒町田警部/怪奇大作戦
行方不明者⇒友野健二、沢村/ウルトラQ「あけてくれ!」

<登場怪獣>

液体宇宙人 デラ星人

母星の環境破壊が進み、自らの体内溶液にも汚染が及んだため、
地球人の生体水分により浄化しようとやってきた。
特殊な液体を人間に飲ませることで液体人間に変える。

体を自由に液体化でき、水分を取り込めば巨大化もできる。
汚染体液をそのまま酸性液として吐き出す。

  ◆   ◆   ◆

ノリは怪奇大作戦、恐怖人間シリーズ。
「美女と液体人間」に液体人間は既出ですが、
ドロドロ人間系は説明不要で不気味なものです。
(NHKの海外ドラマで液体化する超能力少女の話があったような?)

「美女~」は未見なので
「東宝特撮DVDコレクション」で是非見てみたいと。



⇒次回予告

#10 超人間の伝言 (Aパート)

空想特撮シリーズ
ウルトラマンファイア


   超人間の伝言
      

登場人物

      ヒダカ・マコト
      ナナセ・リオ
      ハラ・カツヒコ
      イヌイ・ケイスケ

      アカツキ・マヤ
      イザキ・シュウジ
      ムカイ・イチロウ
      サワタリ・イサミ

      村田警部
      浪人生
      鹿嶋隼人
液体人間男
      液体人間女
      男1
      男2


      デラ星人1
      デラ星人2


      ウルトラマンファイア

      「ウルトラQ 空想特撮シリーズ」

aban1

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aban3

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aban5

1、 暗い住宅街(夜)                        

       切れかかった街灯。
       その下、参考書を読みながらそそくさと歩く浪人生。

浪人生 「人類の進化は、猿人・・・・・原人・・・・・旧人・・・・・新人・・・・・。
     進化するにつれて脳が大きくなっていく・・・・・」

       浪人生の行く手に、黒い水溜りがある。

浪人生 「俺も進化して脳が大きくならないかなァ」
       その足が水溜りを踏みつけると、底なし沼よろしく、
       ずぶずぶと沈んでいく―――

10-1

浪人生 「うわあァァ・・・・・」
       指先もドス黒い水溜りの中へ・・・・・

2、 タイトル   
                         
      「ウルトラマンファイア」

aban6

      「超人間の伝言」

t-10

(F・I)  クレジット・タイトル――       (F・O)

      「デラ星人 登場」

t10m

3、 住宅街(昼)                          

       警察による現場検証が行われている。
       野次馬をかきわけ、ヒダカとハラがやってくる。

村田警部「(手招き)お、おいこっちだ!」

ハラ  「村田警部、またシワが増えたんじゃねえの?」
村田  「そりゃあ増やしたくもなるさ。一晩で十人がいっぺんに
     蒸発したんだぞ。で、君らの得意分野だと思ってこうして呼んつけたんだ」
ヒダカ 「一晩で――そりゃあ尋常じゃないですねェ」

       村田、愛用の手帳をめくりながら、
村田  「失踪者は年齢も性別も住所もてんでバラバラだ。同じ
     なのは昨晩出歩いていた、ということだけだ。友野健一、
     鹿嶋隼人、沢村・・・・・」

ハラ  「鹿嶋!」

村田  「なんだ、知ってるのか?」
ハラ  「俺の親友だ・・・・・」

4、 ハラの回想・野原                        

       5歳頃のハラと鹿嶋が駆けまわる。
ハラ  「あいつとは子供の頃、よく空き地で怪獣ごっこをしたもんだ。
     いつも俺が怪獣だったが・・・・・転校して・・・・・
     今では普通のサラリーマンになってるはずだ・・・・・」

5、 LEAD基地・特専ルーム                    

       メインデスクのリオ、イヌイ。
リオ  「それでハラ隊員、一人でまだ調べてるんですね」
イヌイ 「でも昨日の今日っスよ、そう簡単に出てくるかなァ」

       隊長デスクに座るヒダカ。
ヒダカ 「手がかりが全くないんだ、彼らがなぜ、どんな方法で
     どこへ消えたかも――」
イヌイ 「どーせ世間に嫌気がさして、みんなでどこかに行ったんスよ」
リオ  「そのどこかって何処だと思います?」

       まじめに聞き返されて困るイヌイ。
イヌイ 「・・・・・宇宙・・・・・とか」

ヒダカ 「宇宙、か――
     (目線の先に何か見つける)ん、雨が降るな」

       正面を向くリオ、イヌイ。
       猫のシャイン、顔をなめている。

6、 雨の裏通り                           

       傘をさし、私服のハラが一人で歩いている。
ハラ  「この辺りか・・・・・あいつが消えたのは」
       フッ、と背後の気配を感じ振り向くハラ。

ハラ  「気のせいか――」
       と、向き直ると、正面にレインコートを被った男が現れる。

10-2

ハラ  「だっ、誰だおめえ!」

鹿嶋  「オレさ。久しぶりだな、ハラ」
ハラ  「鹿嶋・・・・・」

7、 特専ルーム                           

村田  「(電話/OFF)ってわけで、行方不明の全員が今日になって
      皆ひょっこり出てきたのさ。まったく人騒がせな事件だよ」
       通信口のヒダカ。
ヒダカ 「まあ、ひと安心ですね。ボカァてっきり宇宙人の仕業かと
     思ってたところです」

8、 警察署・取調室(外)                      

       ドアの外で、携帯で通話している村田。
村田  「宇宙人!? はっはっは、今回はLEADの出番はなさそうだな。
     そうそう、ハラ君もこっちにいるんだ」

9、 取調室内                           

ハラ  「デラ星人!?」

鹿嶋  「ああ。おっと」
       外の村田を見て、小声で耳打ち。
鹿嶋  「刑事には内緒だ。お前だから教えるんだぞ。――実は俺達は昨日、
      デラ星人の力で第5の進化を果たしたのさ」

ハラ  「星人!? 第5の進化!? 言っていることが全然つかめねえ」


鹿嶋  「今夜2時、駅から出る電車で待っている」

       すると、鹿嶋の体が液体に変わり、ドアの隙間を抜け出て行く。
       呆然とするハラ。

10、取調室外                           

       電話中の村田、足元を液体が移動していくことに気づかない。
ハラ  「(部屋を飛び出してくる)待て! 鹿嶋!!」

       ハラに突き飛ばされて倒れる村田。
村田  「おいっ、何が・・・・・」
       取調室に誰もいないことに気づく。
村田  「こりゃあ――いったい・・・・・?」

11、駅(夜)                           

       路肩に停車するWINDY。

12、特装車WINDY内                         

       私服のヒダカとリオが乗っている。
ヒダカ 「(メット通信)イヌイ、ハラの行方はわかったか?」

13、特専ルーム                          

イヌイ 「それが、シーバーを基地に置いてったみたいで――」
       ハラのデスク、カップ麺容器の横に、ぽつんと置かれたカードシーバー。
イヌイ 「で、村田警部に確認したら、昨日発見された人達、
     やはりまた全員いなくなってます」

14、駅(深夜)                           

       車外にでるヒダカ。
イヌイ 「(無線/OFF)どれもみんな、煙のように部屋から消えて・・・・・。
     中には密室からいなくなった人もいるそうっスよ」

       ピッ、と通信を切る。
リオ  「また集団失踪・・・・・。こんなにあちこち調べたのに、
     結局手がかりなしでしたね」
ヒダカ 「最初に失踪した人達に加えて、その知り合いも消えている。
     このままだと失踪者は鼠算式に増えていく・・・・・。
     でも、何のために?」
リオ  「(発見)――隊長! あれ!」

       駅に向かってぞろぞろと歩いてくる集団。
       身を隠す二人。

       駅からレインコートを被った人間が二人出てきて、中に誘導して行く。

ヒダカ 「どこへ行くんだ・・・・・? 電車はもう動いてないぞ」
リオ  「(シーバーで顔を照合し)彼らが失踪した人達です。
     あとの数名は新しく・・・・・増えてます」

       その中に、ハラの姿もある。
リオ  「ハラ隊員!」
       飛び出そうとするリオを、ヒダカが制する。
ヒダカ 「あせらない、あせらない」
       こっそり集団の最後尾に紛れ込むヒダカとリオ。

15、駅内                             

       線路に並ぶ人達。
男1  「おい、そろそろどこに行くか言えよ!」
男2  「本当に夢見たいなところに連れて行ってくれるんだろうな!」
       ざわつく新参組。

       レインコートの男たちがその前に立つ。

       その男達が、ドロロ・・・・・と溶け出す。

人々  「うわああ!」
       その液体が新たに形を作り出し、宇宙人の形になる。

10-4

       逃げようとする人達を、最初に失踪していた人達が囲む。
       その顔も液体のように波打つ。

液体人間男
     「怖がらなくても、宇宙では体の形を変えることは珍しいことではないんだ」
男1  「宇宙・・・・・お前ら、人間じゃないのか!?」
液体人間女
     「そう、私達はデラ星人の導きを受け、人間を超えた人間へと進化し、
      この滅びゆく星から楽園へと旅立つのよ」

デラ星人1
    「君たちは第5の進化を迎えることを許された。」
デラ星人2
    「さあ、行こう」

10-3

        すると、線路の彼方からUFOが飛んできて、
        彼らの前に止まる。

男2  「(怖くなって逃げ出す)お、俺はいい!! うわーっ!!」
        液体人間が、液状になって先回りする。
男2  「う、う・・・・・!」
        追い詰められる男

        パシュン!
        リオが威嚇射撃を放った。
リオ  「早く逃げてください! 宇宙人! 侵略は私達LEADが
     絶対に許しません!」
デラ星人2
    「侵略!? 我々は彼らにふさわしい未来を与えるだけだ」
デラ星人1
    「彼らは、我らについてくることを選んだのだ」

        液体人間、液体化し、今度はリオを囲む。
リオ  「うっ!」

        バシュ!

        ヒダカがショットを放つ。
        倒れる液体人間。
リオ  「隊長!」
ヒダカ 「心配ない。気絶させただけだ」

        ヒュオ! ヒダカに飛びかかるデラ星人。

        ヒダカ、銃をはじかれそのまま格闘にもつれ込むが、
        デラ星人の液状の体には打撃が効かない。

        みるみる押され、階段から転落してしまうヒダカ。
リオ  「隊長ォ!」

        リオの前に起き上がった液体人間。

リオ  「気絶したはずじゃ・・・・・!?」

       ドス、とリオのみぞおちに入る一撃。
       (背後から現れた)ハラがリオを気絶させた。

16、駅・階段下                          

       負傷し倒れ、デラ星人に踏みつけられるヒダカ。
ヒダカ 「人間達をどこに連れて行くつもりだ・・・・・!!」
デラ星人1
    「言ったろう。彼らにふさわしい未来だ」

       口から霧のような光線を吹きかける。

ヒダカ 「ぐっ・・・・・(気絶)」

       液状化した腕を使って、ヒダカの懐からブレイズタイマーを抜き取る。
デラ星人1
    「さらば、ウルトラマン」

17、駅・線路                           

       線路を抜け、UFOが空に飛び上がる。


⇒Bパートにつづく