←Aパート21、格納庫
トヤマ 「(無線/OFF)東京都心に怪物体が全部で4つ・・・・・出現しました!
現地の被害は・・・・・甚大!
ご指示を!総司令・・・・・」
ホシノ 「(シーバーで通信中)落ち着いて人々の避難を最優先しなさい。
(格納庫を見て)ただ、こちらの装備は使えそうに無い。
上海と南太平洋に応援を頼め。
私は今そちらに動けない、指揮を頼むぞ、副指令!」
トヤマ 「(無線/OFF)り、了解!」
ホシノ 「彼等は何をするつもりなんだ」
未来リオ「地上の、掃除です」
22、都心 ブースターを換装して
すぐさま到着した上海ソード編隊。

ゼロアに集中砲火をかけるが、全ての攻撃が
その胸部のブラックホール・ゾーンに吸収されてしまう。
頭部から放たれる無限軌道光線。

光線はソード機を一機づつ追尾し撃墜する。

ゼロア、一歩も動かず編隊を全滅させる。
23、ロケット基地 各国から発射される大陸間弾道弾。
24、都心 ゼロア目掛けて飛んでくる弾道弾、これも吸収されてしまう。
25、その地上 逃げていた人々が足を止める。
女 「思い出した・・・・・夢の通りだ」
男1 「そうだ、ウルトラマンでも敵わなかった奴だ。俺達は
今日、滅んじまうんだ」
男2 「俺も覚えてる・・・・・じゃあ、逃げても無駄だ・・・・・」
次々と避難をやめる者が続出する。
避難誘導をしていた方面隊も、
方面隊長「どうした、皆さん、早く、早く避難を!」
方面隊員「無駄ですよ・・・・・もう人類に勝ち目はないんですから」
隊員達も諦め、仕事を放棄し始める。
方面隊長「おまえら・・・・・」
ゼロアに眼をやる。
微動もせず全ての攻撃を防ぎ、無限軌道光線は遥か遠くの街を焼き払う。
無言のプレッシャー。
方面隊長「そうか・・・・・ウルトラマンでも守れなかったんだ」
人形が捨てられている。
26、LEAD基地・格納庫直通路 キョウコ「ヒダカ君、その体では無理よ!」
ふらついて壁伝いながらもヒダカが歩いてくる。
ヒダカ 「絶望が広がっている・・・・・。人間の心から、炎が消えていくようだ。
このままでは、本当に・・・・・」
格納庫に辿り着く。
27、格納庫 ムカイ 「(シーバー映像を見ながら)マルサイトイレイザーも、スパイナーミサイルも、
全て吸収された・・・・・」
イヌイ 「まさに、未来に向かってシナリオが進んでいる」
ハラ 「おいワン公! 俺達が諦めてどうすんだァ!」
イザキ 「じゃあ何か、打つ手があるかい? ハラ隊員」
ハラ 「ウムム・・・・・。やっぱり・・・・・もう・・・・・終わりか・・・・・」
背後から声。
ヒダカ 「(明るく)どうしたみんな! 諦めるのはLEADの仕事じゃないだろ!」
一同、ふらつきながらも歩いてくるヒダカを見つけ驚く。
が、そのヒダカを未来リオの銃口が狙う。
リオ 「!」
ショットから放たれるビーム、ヒダカ、撃たれる。
リオ 「な・・・・・なんてこと!」
2人のリオ、取っ組み合いになる。
未来リオ「私達の力ではゼロアを倒せなかった。そして彼、
ウルトラマンの力を持ってしても・・・・・
…彼が!ウルトラマンさえいなければ、私達は苦しまないで済む!」
全員(ホシノ・キョウコ以外)
「ヒダカが・・・・・ウルトラマン!?」
リオ 「隊長が・・・・・!!」
ハラ 「オイ待てよ、こんなときに変な冗談・・・・・」
撃たれたヒダカ、腹の傷を押さえながらも立ち上がる。
その姿に注目する一同。
ヒダカ 「いかにも・・・・・私はM78星雲、光の国の者だ」
未来リオ「・・・・・そんなにまでなって、なぜ人間を守ろうとするんです!?
私達は自分から、絶望を受け入れるというのに!」
ヒダカ 「君達に・・・・・私達に似た光があったからだ。
五十年前・・・・・それは偶然だったが、私達は初めて地球人と出会った。
彼は、幾度の危機に襲われた地球人に、光を与えた。
その光は、危機と戦うための勇気・・・・・力・・・・・兵器にも変わる」
ホシノ 「そうだ・・・・・。彼に出会ってから、私達は彼に近づこうと科学を進歩させてきた。
彼の存在が、私達をここまで導いた・・・・・」
ヒダカ 「私の使命は、その行為が正しいことであったか、
君達の可能性を確認することだった。光は君達を豊かにするが、
破滅へも導くことができる。
しかし
まだ、君達の光が放つ光は小さい。その影も同じだ。
・・・・・その光を失うにはまだ早過ぎる。
だから私は、君達のために戦う」
ブレイズタイマーを取り出すヒダカ。
キョウコ「いけない! いま力を出せば、あなたは死ぬわ!」
ヒダカ 「僕は『不死鳥』。帰ってくるさ」
動揺する一同。
イヌイ 「ヒダカさん・・・・・」
ハラ 「大将・・・・・」
2人のリオに目をやるヒダカ。
その目の前で、変身する。
28、LEAD基地・外 チルソナイトに破壊された穴から昇る光の柱。
現れたウルトラマンファイア。
しかし、すぐに膝をつく。
鳴り出すカラータイマー。
29、格納庫 未来リオ「もう空さえ飛べない・・・・・未来は変わらないわ」
リオ 「そんなことありません! 私達が・・・・・私達自身の手で
怪獣を倒せば!」
サワタリ「そうか、我々の力だけで勝利すれば、ウルトラマンの爆発も起こらない」
イヌイ 「でも、ソードは全滅っス。自分達には武器が無い」
ハラ 「あるだろ、ここ!(と、胸を叩く)気持ちだ、気持ち!」
イヌイ 「精神論が通じる場合じゃないっスよ・・・・・」
シライシ「(遠くから現れ)武器ならあるぞ!」
一同 「!」
シライシ「第三基地は工場だ。そこならまだ戦力はある!」
イザキ 「でも、第三基地までどうやっていけば・・・・・」
ゲージが開き、現れるソードBLUE。
シライシ「特専が毎度毎度墜落させるから、修理房に1機残ってたんだ。
飛行ぐらいならできる」
サワタリ「よし、総員、ソードBLUEで第三基地に出撃!」
アカツキ・イザキ・ムカイ・ハラ・イヌイ
「了解!」
ホシノ 「サワタリ隊長、私はここで、ウルトラマンと共にいる」
リオ 「(未来リオを押さえ込んだまま)私も・・・・・」
サワタリ「了解しました(敬礼)」
ホシノ 「頼む」
その様子を上から・・・・・液体から頭だけ実体化させ、
ケムール人が見ている。
× × ×
ソードBLUE、発進スタンバイ。
31、ソードBLUE 6人乗り、満席のBLUE。
アカツキが機動レバーを引く。
サワタリ「ソードBLUE、発進!」
32、基地・外 基地に空いた穴から浮上するBLUE。
しかし、外に出た瞬間、ガシリ、と巨大な腕に掴まれ、飛び立てない。
巨大化したケムール人が、BLUEを捕まえた。
33、BLUE アカツキ「隊長、このままでは!」
サワタリ「クウ・・・・・(はっ)!」
34、基地・外 ファイア、巨大ケムール人の腕に掴みかかり、
その手からBLUE機を解放する。
だが、体力のないファイア、弾き飛ばされる。
それでも必死にケムール人に立ちはだかる。
35、BLUE サワタリ「行くぞ! 我々LEADは、ウルトラマンの信頼に全力で答える!」
36、基地・外 飛び立つソードBLUE―――
《 続 》
⇒次回予告
空想特撮シリーズ
ウルトラマンファイア
炎が消える日
登場人物
ヒダカ・マコト
ナナセ・リオ /2020年のリオ
ハラ・カツヒコ
イヌイ・ケイスケ
アカツキ・マヤ
イザキ・シュウジ
ムカイ・イチロウ
サワタリ・イサミ
ホシノ・イサム
トヤマ・ヨシマサ
クサカベ・キョウコ
シライシ主任
カミコウチ博士
助手1
助手2
方面隊長
方面隊員
女
男1
男2
超人間ケムール人
宇宙恐竜ゼロア
ウルトラマンファイア
1、都市(夜) 「ウルトラQ 空想特撮シリーズ」






空に、巨大な隕石(チルソナイト)が浮かぶ。
N 「それは不思議な夜だった。全ての者が、普段は夜に寝床につかない者まで、
皆同じ夢を見たのだった」
2、都市 赤い空、壊滅した都市。
撃墜されたソードの残骸。
ファイアと宇宙恐竜ゼロアが戦っている。

そのカラータイマーは激しく点滅、ゼロアに全く歯が立たない。
タイマーが鳴り響き、体内エネルギーが暴走・漏れ出し・・・・・爆発。

ゼロアも誘爆、地上は壊滅した。
N 「しかし、目覚めたとき、その夢は忘れ去られた」
3、タイトル 「ウルトラマンファイア」

「炎が消える日」

(F・I) クレジット・タイトル――― (F・O)
「超人間ケムール人 登場」
4、東京郊外・安らぎの碑 
「安らぎの碑」と印された塔に、花を手向けるリオ、合掌。
ホシノ司令も胸に手を当て黙祷。
ホシノ 「この碑は怪獣災害で命を失った人達のために建てられ、
平和への誓いを示すものだ。一度連れてこようと思っていたんだよ」
リオ 「天気も穏やか、事件もないし、こんな平和な日が、ずっと続いたらな・・・・・」
5、LEAD基地・食堂 ハラ・イヌイがのんきに食事をとっているテーブルへ、
カレーの大盛皿を持ったヒダカがやってくる。
ヒダカ、顔色が悪い。
イヌイ 「あれ、また寝不足っスか?」
ヒダカ 「あ、ああ。ちょっと体が重くてな・・・・・(カレーを差出し)食うか?」
ハラ 「じゃ、遠慮なく」
一口、と食べたハラの舌が炎上する。
ハラ 「み、水!! 水!!」
イヌイ 「まったく。ヒダカさんが超辛党だってこと知ってたくせに」
バタリ、とイスから転げるヒダカ。
ハラ 「大将!?」
イヌイ 「ヒダカさん!」
大騒ぎになる食堂。
ヒダカは呼びかけに答えなかった。
6、格納庫 移送ヘリコプターが着陸する。
N 「この隕石を覚えているだろうか・・・・・・。あの時、深海で
怪獣アランガに襲われた探査艇が発見していた隕石である。
それがこの日、数億年ぶりに陸上に現れたのであった」
ヘリに積まれていたのは隕石
(チルソナイト=第1話で行方不明になった物)。
7、モニター 
チルソナイトが流れ着いた海岸の画像。
カミコウチ
「(OFF)こんなノドカな日は、研究室なんかにこもらんでいたいがね」
助手1 「(OFF)漁協に引き取るように強く要請されまして。
先日になって突然海岸にうちあげられたそうです」
8、ブレーンズフロア・研究室 その大きさで研究室の大部分を占拠した隕石。
見上げるカミコウチと、その助手二人。
カミコウチ
「とりあえず、内部を透過して、ナニモンか調べてみるか。
・・・・・この表面、随分と長く海の底で寝ていたようだ」
表面の泥をぬぐうと、銀(多少青め)色の表面が出てくる。
カミコウチ
「うーん、この質感は・・・・・ウーム、ウーム」
隕石の底から怪しい液体がじわじわ染み出し、カミコウチ達の足元へ。
カミコウチ
「そうだ。宇宙金属チルソナイトだ・・・・・
!?(体が沈み出す) ウワーッ!」
2人の助手も同じように液体に吸い込まれていく。
と、液体が徐々に立体を作り上げ、終いにカミコウチ達の体を形作る。
9、ひとけのない道路 リオとホシノの乗った特装車WINDYが走っている。
10、特装車WINDY リオ 「久しぶりにお話できて楽しかったです」
ホシノ 「はは、それはよかった。例え3時間でも、休みをくれたみんなに感謝しよう」
リオ 「一度聞いてみたかったんですけど、おじいちゃんが昔、
隊員だった頃、一番苦戦した怪獣は何だったんですか?」
ホシノ 「そうだな、一番強い怪獣。最大の怪獣は・・・・・人間かも
しれない」
リオ 「人間?」
ホシノ 「確かに、いままで色んな奴と戦った。そしてウルトラマンに
何度も助けられた・・・・・。
だが無敵のウルトラマンを目標に、人間は科学や装備を発展させ、
自分の手で怪獣を打ち倒すまでになった・・・・。
でも、その力の使い方を間違えば、人間も・・・・・・」

正面の道路に黒服の女が立っている。
慌ててハンドルを切るリオ。
11、道路 辛うじて女を避けるWINDY。
12、WINDY リオ 「あ、危なかった。なんで急に人が!?」
ホシノ 「LEAD隊員たるもの、常に周りに注意を向けてなければならんぞ」
リオ 「でも・・・・・(バックミラーを見る)!」
女がWINDYに向かって走ってくる。
リオ 「わ、わ!」
思わず速度を上げるWINDY。
ホシノ 「急にどうした、リオ!?」
動転しているリオ、ふと横を見ると、
すたァん、すたァん・・・・・
女がWINDYに併走している。
リオ 「きゃあ!」
女はWINDYを追い越して走る。
と、タァン! 跳ねて見えなくなる。
リオ 「消えた!?」
次の瞬間、ボンネットに着地する女!
女の顔を見て、驚くリオ、ホシノ。
その顔は・・・・・リオ隊員そのもの、全く同じ顔であった。
リオ、思わず急ハンドル。
13、道路 スリップ、大回転して止まるWINDY。
ボンネットに乗る女、顔色ひとつ変えず、
女 「早く、早く基地に連れて行って!」
14、メディカルフロア・病室 ヒダカ 「ちょっと疲れが溜まっただけだ。心配ない、心配ない」
イヌイ 「そうっスか・・・・・さすがの不死鳥も、やっぱり疲れはするんスね」
ハラ 「じゃ、ドクター、大将を頼むぜ」
キョウコ「はいはーい」
病室を出るハラ、イヌイ。
キョウコ「あれでよかったのね」
ヒダカ 「・・・・・」
汗を滝のように流し、苦しむヒダカ。
キョウコ「体温が常人のものじゃないわ。よっぽど無理を重ねたようね。
ヒダカ・・・・・いいえ・・・・・・
ウルトラマン」
ヒダカ 「・・・・・はは、ばれてたか」
キョウコ「元々のヒダカ君が変わり者だったから気づかれなかったみたいだけど、
普通プロの目は誤魔化せないわ。
レントゲンも絶対とらなかったしね」
ヒダカ 「・・・・・」
キョウコ「確かに人間にとってあなたの力は大きかった。でも、
あなたの力を借りなくても・・・・・ま、多少被害は大きく
なるだろうけど、人間は怪獣を倒せるだけの力を持っているわ。
この辺で、少し休んでもいいんじゃない?」
ヒダカ 「私の命は・・・・・・もうすぐ消える」
ブレイズタイマーを取り出す。
ヒダカ 「私の中で暴走する、太陽エネルギーを抑えられなくなった。
いつ戦いの最中に爆発するかわからない。そうなる前に・・・・・
私は地球を去ることに決めた」
キョウコ「そう・・・・・・」
グラリ!
突然、基地に激震が走る。
16、シークレット・ロード 全速力で走るWINDY。
17、WINDY 運転席のリオ、助手席にホシノ、後部席にもう1人のリオ。
リオ 「あなた、どこから、どうやって、何しに来たんですか!?
それに、なんで私と同じ顔をしているんです!?」
女 「私は2020年の時間上の地球から来た」
リオ 「2020年? 2年後・・・・・?」
未来リオ「西暦2018年の今日、地球の崩壊が起きる・・・・・!」
パラララ、ホシノのシーバーに通信が入る。
トヤマ 「総司令・・・・・基地が・・・・・基地が!!」
ホシノ 「どうした!? トヤマ!?」
15、格納庫 隊員1 「博士、何を・・・・・!?」
気絶する隊員。
そこに、カミコウチ博士と2人の助手が。
ソード各機が配置された格納庫。
ぎりぎりと手を握るカミコウチ。
ドドドン!

次々と爆破されるソード。
アカツキ「あそこだ!」
FASTの4隊員が走ってくる。
ムカイ 「基地のマザーコンピュータ、動力炉・・・・・ソードまで・・・・・!」
サワタリ「カミコウチ博士、何故こんなことを!?」
逆方向に逃げ出すが、そこにハラとイヌイが到着する。
ハラ 「げっ、犯人は博士かよ!? ついにボケたのか!?」
イヌイ 「それにしても、このアリサマは・・・・・!」
両手を挙げるカミコウチと助手達。
アカツキ「降参・・・・・か!?」
16、研究室 チルソナイト隕石が動き出す。
17、格納庫 外壁を突き破ってチルソナイトが出現。
衝撃で吹き飛ばされるサワタリ達。
そこに全速力から急停止、WINDYが到着する。
降りるホシノ達。
博士達の体から液体が抜け出し、その形が人型―――
ケムール人になる。

ケムール「フォフォフォ!」
ホシノ 「・・・・・・ケ、ケムール人!」
ケムール「5億年ノ眠リノ果テ、ツイニ我ラノ住ムベキ星ヲ見ツ
ケタ。惑星改造ヲ始メヨ、ゼロアー!」
勢いよく空中に浮上するチルソナイト。
18、LEAD基地 基地をぶち抜いて浮上したチルソナイト、空へ消える。
19、格納庫 オーヴァル=ショットを構えた隊員達に囲まれる3人のケムール人。
アカツキ「よくも俺達の本部を! 貴様ら、博士に化けていたのか!」
ケムール「フォフォフォ・・・・・宇宙デハ体ノ形ヲ変エルノハ珍シクハナイ・・・・・
コレカラコノ星ヲ、『ゼロア』ガ我ラニ住ミヨイ星ヘ・・・・・」
未来リオ、リオからショットを奪い、
間髪入れず、次々とケムール人にビームを放つ。
ケムール「フォオ・・・・・」
溶けてしまうケムール人。
サワタリ「何てことをした! まだ奴らの目的を完全に聞きだした
わけではないんだぞ! 誰だお前は・・・・・お前・・・・・
ナナセか!?」
イヌイ 「ナナセ隊員が、2人!?」
未来リオ「聞かなくても私が知っている。彼らは侵略者だ。強固な宇宙金属、
チルソナイトの中に液体となり5億年の間、
新しい母星を求め宇宙を放浪していた。
2億年前、彼らは地球に辿り着き、海の底に潜んでいた・・・・・
そして彼らが目覚めたこの日、パンドラの箱が開き、滅亡がはじまる」
アカツキ「滅亡!? 何を根拠に!」
未来リオ「私は見たんだ!!」
その迫力に皆一瞬言葉を失う。
ホシノ 「君はさっき2年後・・・・・・2020年に地球が崩壊すると言ったね。
地球はケムール人によって滅ぼされてしまうのか?」
未来リオ「いや、地球を壊滅させたのは・・・・・」
未来リオ「ウルトラマンよ!」
全員 「!!」
未来リオ「この戦いの結末を、この時代の人間全てに、夢で見せたはずだ」
皆ハッとする。
イザキ 「そういえば、そんなことが・・・・・」
イヌイ 「思い出した! 確か、ウルトラマンが爆発して、地球が・・・・・!」
リオ 「でも、ウルトラマンは私達のために戦ってくれたんでしょう!
滅亡がなぜウルトラマンのせいになるの!」
未来リオ「それが滅亡の始まりだった」
リオ 「え!?」
未来リオ「ウルトラマンがケムール人を撃ち滅ぼしたことで、人類は
絶滅だけは免れた。でも、その後に何が残ったと思う!?
爆発でほとんどの地域が消滅した地球で、
生き残った人間同士が争い合って・・・・・」
ハラ 「なんてこった・・・・・最期は人間同士が」
未来リオ「苦しみ、悲しみ、絶望・・・・・。だから私達人間は、
ウルトラマンに助けてもらわずに、この侵略で全滅したほうがよかった!
全てが無くなることが本当の平和だったのよ!」
20、都心上空 浮かぶチルソナイト。
その中心に亀裂が走り、中から青い玉が1つ、黒い玉が3つ現れる。


3つの玉は三方向へ散り、それらは3本の超巨大な漆黒の柱に変形、
それぞれ地上に落下、突き刺さる。


最後に青い玉が膨らんで、爆発!

宇宙恐竜ゼロアが空中に出現。
ゼロアはゆっくりと都市に着陸してくる。

塵ひとつたてない、ゆっくりとした着地。
が、次の瞬間、衝撃が駆け巡り、
一瞬で周囲のビル街は完全に吹き飛ばされる。
逃げる人々。
まるで塔の様に沈黙して立つゼロア。
⇒Bパートにつづく