造型怪獣 ドローガー 
電光超人グリッドマンRE: 第2話
「世界征服同盟」に登場。
頭部と両腕から「光の三原色」のカラーバー光線を放射し、あらゆる視覚データを創り出す。
TV局のコンピュータ・ワールドに侵入し、CMに人間の快楽中枢を刺激する光波を忍ばせて
「CM中毒」の人間を大量発生させた。
その光線はグリッドマンや自らの立体コピーをも作り出すが、
強さの操作まではできないようだ。
《SPEC》
攻撃:D 防御:C 敏捷:E 体力:C 必殺:C 「カラーバー光線」
名前は「draw・画」。
自動立体創出怪獣。
テーマは「サメ」⇒「塔」⇒「アイスクリーム」と迷走。
最終的に「ラクガキ」の集合体みたいな形となってしまった。
細かに腕にラインをいれたと思えば、幼稚な背トゲがついたり・・・
だが、問題は走行手段だな。






「ソースラーメン……?」
片桐ゆかり(23)は片桐刀真のいとこである。
定職につかずブラブラしていた所を、海外出張中のトウマの両親に留守をまかされ、
今は居候しつつ自堕落な日々を過ごしている。
「こってり♪ こてこて♪ 濃厚ソースで……う、う、うまうま ソースラーメン♪」
その目はテレビに流れるCMを見ていた。
◆ ◆ ◆
「グリッドマンという隠しキャラを倒した」
復旧したモンスタークライシスの掲示板にそう書き込んだトウマ。
「釣り」
「(笑)」
「自演☆乙」
信じる者はいなかった。
確かに、あの時、自分の怪獣が、あの……『グリッドマン』と名乗った
人……人なのか?……いや、ここはまあ、そいつを倒した。
正確には相打ちだったが。
しかし、この俺をせせら笑ったヤツらを見返さなくては。
……どうする?
あの、戦い。倒した瞬間を見せれば……。
その時、PCにメールが送られてきた。
「『JUNK』から招待状が届きました」
「ジャンク…?」
「なあトウマ、ちょっと買い物してくるから留守番しててな」
急に部屋に入ってきたゆかりに驚き、あわててウィンドウを隠すトウマ。
「おいおい、またイカガワシイものでも見てるな……。どれ、ちょっと
お姉様にも見せろ」
「ち、違うっての! それよりいきなり入ってくるなよ! 入る前にはちゃんと……」
コツコツ、ゲンコツで軽くトウマの頭をノック。
「これでいいな。 じゃ、ちゃんと留守番してろよ~」
「俺に命令するな!」
雑に結んだ髪をゆらして、ゆかりが出て行く。
「ああいう頭の軽い人種は、苦手だ……」
◆ ◆ ◆
テレビを見つめる片桐ゆかり。
背後には山積みの「ソースラーメン」。
「う、う、うまうまソースラーメン♪」
◆ ◆ ◆
メールに添付されていたサイト。
「アクセスコードを入力してください」
これは、まさか?
「RE」
「・・・」
「・・・」
「認証しました。『JUNK』へようこそ!」
やはり、あのフロッピーに設定されていたパスワードと同じだ。
そしてこのサイト、どうやら会員制のコミュニティらしい。
ただ、実際の会員はほんの数人のようだが。
jet:新入り?
とりあえずハンドルネーム……適当に名前をもじった。
ソード:そう。
jet:あんたもあの黒フロッピーを手に入れたの?
ソード:そう。
jet:とりあえず、ここのルールを教えたげる。ここは、『JUNK』。セカイにはぶかれたガラクタの集まり。
ソード:ジャンク……
jet:でもただのガラクタじゃない。セカイが私達を拒絶するなら、そんなセカイ壊して、
ガラクタの住みやすいセカイを作る。
ソード:まるで世界征服の秘密結社みたいだがw そんなこと、どうやって?
jet:あなたも見たんでしょ
ん…?
jet:自分の怪獣が動くのを。
◆ ◆ ◆
ゆかりの目はひたすら「ソースラーメン」のCMを求めていた。
商品はどうでもいい。そのCMが見たくて見たくてしょうがない。
この現象は彼女だけのものではなかった。
「ソースラーメン」のCMを見た桜ヶ丘の住人は、TVから離れられなくなっていた。
それはまさに、「中毒」そのものだった。
◆ ◆ ◆
いおん:ソードさんの作戦、面白いですね!
jet:テレビ局のコンピュータ・ワールドを改ざんして、みんな『CM中毒』か。
あんなマズそうなラーメンのCMが見たくて、必死に箱買いしてるのもいるらしいよwww
目も、鼻や舌と同じような感覚器。
あのCMが、人の「快楽中枢」を刺激する光信号を放出するよう改造したのだ。
このCMを一度見た人間は、その光信号による快楽が忘れられず、知らず知らずに
そのCMにどっぷり浸かり、『中毒』状態になってしまう。
この作戦を実行したのがこの怪獣、
『造型怪獣 ドローガー』。

角と両腕から3原色のカラーバー光線を発射し、あらゆるデジタルデータを生み出すことができる。
ソード:これは第一段階。これからショーを行うんだ。
いおん:しょー?
ソード:ヒーロー公開処刑。
◆ ◆ ◆

ドローガーのカラーバー光線が、『グリッドマン』の姿を創り出す。
「うろ覚えだから、所々違うかもしれないけど、こんなもんだろ」
トウマはキーを叩き、慣れた手つきでプログラムを調整している。
「あまり弱すぎるとリアリティがないからな。そこそこの能力をつけて・・・・・・
よし。あとはこれを中毒CMに差し替えて虜にしたヤツらに見せ付けてやるだけだ」
jet:自分のアピールのために、あれだけの人を捕まえとくなんて、
結構な自己チューね。
ソード:そもそもCMなんてそんなもんだろ? アピール合戦。
騙されて見ちゃうヤツが悪いのさ。自己責任だよ。
中毒CMで視聴者を確保し、自分の怪獣がグリッドマンを倒すシーンを見せ付ける。
そして、自己満足に浸る。
これが今回のトウマの作戦だった。
しかし、突然の乱入者がこれを狂わせる。
いおん:なんか、別の、プログラムが来てます!
jet:こっちのトラップを突破してくる!
「な、なんだあの光は!?」

TV局のコンピュータ・ワールドに侵入したその光は、
造型されたコピー・グリッドマンと融合した!
その手が……動く。
「私は……グリッドマン……。いや……生まれ変わったこの姿は……
『グリッドマン・ナイト』!」いおん:データが融合しちゃった!
jet:ちょっと、どういうこと?
ソード:そんな……死んだはずだ!
「私とはこの光の意志そのもの! 体を失っても、心ある限り、私は倒れない!」
ソード:そうか……こないだ破壊したのは、体の構成プログラムだけ……。
残っていた精神プログラムが、ドローガーの作ったコピーを乗っ取ったのか!」
「さあ、街の人達を元に戻すんだ!」
ソード:俺に……命令するな! やれ、ドローガー!
ドローガー、巨大な腕をふりかざし襲い掛かる。
しかし、どうしたことか、徐々にグリッドマンに押され始める。
「しまった……。設定を、強くしすぎた」
ここでドローガー、カラーバー光線で自分のコピーを人海戦術に切り替える。
5体のドローガーに囲まれ逆転、エネルギーランプが点滅し始める。
jet:おお!
いおん:イイ感じ!
とどめを刺そうと突進するドローガー群、
だがグリッドマンが真上に飛び上がり、お互いに衝突してしまう。
jet:ばか・・・
いおん:ああ、やばい
「グリッドォォ・・・・・・ナイト・ブレード!!!」
左腕から放たれた光刃、5体のドローガーをみな切り裂さかれ、消滅した。
「ああ、ドローガー!」
グリッドマン・ナイトの胸から放射されるフィクサービーム・・・・・・。
◆ ◆ ◆
「次こそは、必ず……。この屈辱は、次の怪獣で晴らしてやる!」
「ト・ウ・マくーん」
「ゆ、ゆかり姉さん! また突然……!」
「おやおや~? また何してたんだい?」
「何でもいいだろ! それより何の用だよ!」
「これこれ~美しくて優しいお姉様から、プレゼント」
その手に、ビニール袋に詰められた大量の『ソースラーメン』
「いつのまにかこんなに買っちゃってさ~。しかもあんまおいしくないから、あげる」
「え、ええ?」
「あ、キッチンにまだ残りがあるから」
TVではまた陽気なCMが流れていた。
「う、う、うまうま♪ ソースラーメン♪ デミグラス味も、出たぞ♪」
⇒次回へ続く
次回の
電光超人グリッドマンRE: は、 「世界征服同盟」 造型怪獣 ドローガー「敵は強くないと面白くないからな・・・・・・名前は・・・・・・」
グリッドマンを倒したことを信じてもらえないトウマは、TV局のコンピュータに
侵入して新しいグリッドマンを創り出してしまう。
そしてデジタル放送を通じて怪獣とグリッドマンの戦いを発信し始めた!
次回、
電光超人グリッドマンRE:
「世界征服同盟」
お楽しみに!
発光怪獣 ドリルズ
電光超人グリッドマンRE: 第1話
「帰ってきたグリッドマン!」に登場。
片桐刀真が作ったゲームデータが黒いフロッピーにより怪獣として実体化。
オンラインゲームのコンピュータ・ワールドを襲い、敗者を失明させる「デス=ゲーム」に
改造してしまう。
重厚なボディをいかした格闘能力も高いが、最大の武器は3本の発光体から放つ閃光。
これを受けた相手は基本データを破損させられてしまう。
《SPEC》
攻撃:
C 防御:
C 敏捷:
E 体力:
E 必殺:
B「8000万カンデラフラッシュ」
個人的には、シュルレアリズムを基調とした(初期)ウルトラ系とはまた違って
「怪獣が好きな人」がその意欲のまま描いたデザインがシェイプアップされた姿、
それがグリッドマン『的』怪獣だと認識しております。
・基本、カッコイイ
・名前はシンプル
・何らかの特徴的な武器(武装)は持っている
・それでもまだ'99以降の蛇足感はない
こんな所でしょうか。
別名も「閃光怪獣」の候補もあったものの、基本小学生レベルの熟語が付くことが多いので
「発光怪獣」に。名前は発光体がドリルだったころの名残。
モデルは見たまんまトリケラトプス。隠れモチーフはウサギ。
角竜の鼻角を1角に残して、残り2本は首から生える「トゲ」のような存在に。
フラッシュ部を際立たせるため、ボディが地味目になったのは難しいところ。