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【コラム】初恋コンプレックス

作品として、

「ウルトラマン」は文句ないし、
「ウルトラマンティガ」もよかった。
「ウルトラマンG」は原典。

一方、
「ウルトラマンネクサス」は中盤惰性視聴になってしまい、
「ウルトラマンメビウス」は往年ゲスト(と音楽)を退いちゃうと、…だった。

これは私個人の好み。
おそらく「ヒーロー、ヒーロー」して人間ドラマしてるのより
怪奇事件を追ってその先に怪獣が出て・・・というSF展開フォーマットを好むらしい。

さらに掘り下げると、
「初代」コンプレックスにより、
「ウルトラマンはこうあるべき(だった)」的なフォーマットスケールが
自分の中にあって、そこから外れると多少厳しい評価を付けるらしい。

※ ※ ※ ※ ※

この「私の好きな○○は」「こうあるべき」「ですよ」的な講釈は
多くの人間がもっているだろうなと思うけれど、

どうやらその尺度は
その対象とのファースト・コンタクト
/一番最初に(物心的に)見た聞いた作品に影響される度合いが大きいのではないか。

特に「こうでなくっちゃ」モードを発動させるのは男性に多いように感じる。


「恋愛」について
女性はどんどん上書き保存して更新していくけど
男性は過去の記録をフォルダごとに仕分けして保存し続けるらしい。

これを「好きなもの」に置き換えると、
男性がいつまでも
「これ『が』好きだったんだよ!」
「だから○○とは、△△なのさ!!!」
とコダワリを持ち続けるのもわかるような気もする。

初恋に似た相手を好きになり続けるのである。

まあ別に男に限った話でもないけれど。

※ ※ ※ ※ ※


どちらにせよ、原典の与える束縛力は思いのほか強い。

「仮面ライダーディケイド」はそこん所「パラレル」でうまく回避したな、とも思う。
「ゲハラ」では「こうでなくっちゃ感」は
デザイン的に(映画系)ピン怪獣=2足恐竜型、という形で出てしまったのである。
ここを崩しちゃ成り立たない、というような固定?観念が。


はたしてそれが「伝統尊重」として生きるのか
創作の幅を狭めるのか善し悪しは判断しづらいけど、

いまだにウルトラマンゼロのデザインに納得し切れない
自分がいるのでした。
(セブンの息子、と名乗ってなかったら違ったか・・・?)

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[ 2009/10/17 22:29 ] 怪獣 空想怪獣論 | TB(0) | CM(0)

ウルトラマンベリアル あらすじ

     bel
物語は○谷と○ャイヨーの権利闘争が始まるという、緊急事態が発生するところからスタートする。

そして数万年後に、この戦争は○谷側が勝利し、○ャイヨー側についた
「ミレニアム」は、ウルトラの一族でありながら、
暗黒の力に魂を奪われ光の国で反乱を起こした(という名目で)
ウルトラマンキングの手で永久牢獄に封じ込められた。

「このまま俺は日の目をみないのだろうか・・・」

そういいつつ官舎のTVを見ていると、
「パラレルワールド」の設定によりボツった怪人を復活させる特撮番組を見つける。

「これだ・・・!」

名を変え姿を変え、100体の怪獣を操ることができる“ギガ・バトルナイザー”を武器に、
暴れ回るウルトラマンベリアル。
大体の怪獣は葬られるものの
運がいいのか悪いのか、そのなかにうっかり

白猿ハヌマーン

が混ざっていた。

権利元次元の違う攻撃に)次々と倒されるウルトラ戦士たち。
そして光の国は、暗黒の闇に包まれてゆく……。


<<この物語はフィクションです。実際の映画には関係ありません。>>

『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』
ベリアルのデザインは、まあEXゼットンとかの流れをみると予想範囲内。
今年はシンケン・ディケイドとなかなか美的にも話的にも良作が多い中、はたしてどうか?

たぶん本当の本編は
・内山まもる氏的なストーリー展開に
・兄弟にトラウマ怪獣ぶつけて
・ゴモタンたちが救援に来て
・ベリアル劣勢になって
・グランドキング+タイラント⇒グランドタイラント召還
・CGサーカスで締め

といった所でしょうか。

みどころは「怪獣100体」の煽りの真偽。
①ジェロニモンによる怪獣60体復活
②「ウルトラ兄弟を超えてゆけ!」35大怪獣宇宙人 登場

につづく「2度ある・・・」になるか「3度目の」になるか。

メビウスの最終回で「怪獣総進撃」的に
歴代最終回怪獣の世界攻撃がみれるかと思ったら
いんぺらいざー×10何機か
だったときのショボさはなかったけど。

名前を「ウルトラマンヘラー」にしたら悪トラマンにも納得がいくかな。
U40だけど。


個人的には・・・オールライダーの方が今の所優勢かな・・・

[ 2009/06/19 23:17 ] 怪獣 空想怪獣論 | TB(0) | CM(1)

名前を捜せ(「ゲハラ問題」篇)

SD-b

前回、名前についてつらつら考えてみた。

おおまかに変遷をみれば、

初期は
「~ラ」「~ドン」「~ス」
といった「怪獣的名称フォーム」

「ぎゃおーと鳴くからギャオスなんだよ!」
と、至極単純かつストレートな由来がはまりやすい。
「空から落ちてスカイドン」

一方で、今でも一般的に使われているのが
外来語・カタカナ語のもじり。
「葉緑体でYR(星人)」

といっても、
「ドン」群「ス」群の代表
ラドン・アンギラスも プテラノドン・アンキロサウルスから来ているので、
恐竜学名もラテン語だから
ほとんどはカタカナもじりということになる。

それゆえ「和風」の言葉を由来にもつ名前は
目立つように感じる。
「カネゴン」「タッコング」
いずれも独創的なフォルムゆえ名怪獣だが、

居並ぶカタカナ怪獣の間で
もしただの金色の恐竜に「カネゴン」と名前がついていれば、
「どうも垢抜けないね」
と言われる危険さえありうる。

この「カタカナ」=「かっこいい」とつい思ってしまうのは
文明開化で牛鍋をつついた頃から
日本人に染み付いているんだろうか?


ところで、冒頭の「ゲハラ問題」だが、
この名前についてもひと悶着あったのも事実。

理由は簡単、
そのネタに片足つっこんだような名前だったから。
また、
いわゆる放送業界は言葉を逆さにして呼ぶ「ギョーカイ用語」があり、
その公式にあてはめると
巧みに隠したつもりのwこの怪獣の特徴のもじりを見破られたからである!
(全然隠してない。)

それで、
改名案をいくつか考えることとなった。
「けうけげん、から『ゲンラ』?」
「森羅万象、から『シンラ』?」

私はどうしてもタイトルにダン!と来た時のイメージから
とにかく3文字にはこだわりたかったらしい。

このときばかりは文字の見栄えという点から
耳障りよりも配列による「見た目」を優先したかった。
どうも「ネガドン」より「ドゴラ」の方がポスターでみると文字の収まりがいい。

カタカナの表を作って一文字づつ入れ替えたり・・・

30秒で決めた(事実)
当初の「ゲハラ」というインパクトは、意外と強かった。Gで始まるし。

そんなこんなで、
結局別に描いていた「ガラガ」という怪獣を見て
「回文でいけるか?」
ということになり

「ラギラ」

という名を第一案で提出した。


ところが、
なんだかんだで結局「ゲハラ」のままで通ってしまった。



そういうわけで、
当初は私自身も「ゲハ」と「ラ」の間で切ってしまうと
色々意識してしまうので口から出すのが恥ずかしかったのだが、

段々「怪獣」として独り立ちするようになると
『ゲハラ』という連続した一名称として認識できるようになり、
それほど問題はかんじなくなった。
唇が付かないので発音がしづらい部分もあるが、
なんか呼ぶとノドの奥から ため息が出る感じが
この怪獣にはちょうどいいんじゃないかと。

そういえば大怪獣「ガメラ」も「ガメ」と「ラ」にすると締まりがないけど
これが一体化して「ガメラ!」って呼ぶと断然オーラが違う。

この名前で世に出た以上、
今後、ちゃんと連続した3文字で認識されていくことを願うばかりです。
[ 2009/03/17 05:01 ] 怪獣 空想怪獣論 | TB(1) | CM(1)

名前を捜せ(映画怪獣篇)

「名は体をあらわす」呉爾羅

なんかデザインも話も異常に(私的には)素晴らしい
モヂカラbyシンケンジャーじゃないけれど、

間違いなく「語感」というものはある。

「アリ」は「アリ」っぽいし、「イカ」は「イカ」っぽい姿。

これは怪獣においても同じだろう。
濁音だらけの「キングギドラ」は強そうだし、
怪獣なのに清音のみの「モスラ」はどことなく清らか。

その始祖たる「ゴジラ」。
この影響力たるや、後の怪獣の「名前」はすべてここに帰結せざるを得ない。

①頭文字「G」
もはや神聖化してる、王道の頭文字。
ゴジラ、ガメラ、ギララ、ガッパの4Gに加えて
ウルトラQ第一話がゴメスなので、もう避けては通れない。

とある音声学?の研究だと
男児は「ガ行」を好むという。怪獣以外にも、「ガンダム」なんかもそう。
「ガ行」=「強さ」のイメージだそうだ。
同様に、「パ行」は母性的なイメージなため、お菓子の名前によく使われるそうな。
「ポッキー」とか「プリッツ」とか。

②「ラ」
なんでも「ラ」をつければ怪獣っぽく聞こえる、のはまんざらでもない。
日本人のほとんどが“刷込み”されてると思う。

この起源は「阿修羅」など仏教的信仰から来ているという説もあるが、
最初の「ゴジラ」が「ゴリラ」+「クジラ」なので、
「ラ」にするとしっくりくる理由はそこにあるとしても、
怪獣の名前に○○ラが多いのは
ほとんどこの「ゴジラ」へのリスペクトのせいだろう。

③3文字
いわゆる「映画怪獣」は3文字。
これは「ゴジラ」「ラドン」「モスラ」の東宝3大怪獣によって確立されたといっていい。

これが4文字、5文字になると
敵役か、そうでなくても人間側に主役をもっていかれやすい。

もともと日本人は「3」という数字が大好きで、
「三大○○」というのを創りたがるのはそのせい。
「3」は数の集合として最も安定感があるのだろう。
これは聞いた場合も、書いた場合も同じである。


そういうわけで、
「G音」+「○」+「ラ」 が
ひとつの「怪獣っぽく」命名する公式であるだろう。



[ 2009/03/16 01:52 ] 怪獣 空想怪獣論 | TB(0) | CM(0)

ディノゾールはどこへ消えた?-記憶から考える怪獣①

好評のうち終了した「ウルトラマンメビウス」

いわば「伝家の宝刀」だった
「ウルトラ兄弟」と「歴代怪獣」のゲスト出演。

演技とかシナリオとかは置いといて、
やっぱりメフィラス星人が当時の声で出るとやっぱり見ちゃうよ。



しかし



歴代『名』怪獣が登場する一方で、新怪獣も出ていたはず。



なのに



あまりにも記憶に残っていない。




第二期中心とはいえ、べムスターやベロクロンが登場するのは
野球で王や長嶋やバースがいるようなオールスターオーダーなのだから
その後光にかすむのは仕方ないとしても、

まだティガ・ガイアの頃までは

「このシリーズといったらこの怪獣」

という「代表者」が記憶に残っていたと思う。



「メビウス」でもボガールとか四天王とかいるよ!という声もあるかもしれない。
でも
それらをかつてのバルタンやゴモラのように
何も見ないでラクガキできるだろうか?



だいたいは書ける。



そう、どうやらどんなディティールに凝った怪獣も
「だいたい」しか覚えていない。

逆を言えば、
その「だいたい」で
何を描いたかすぐわかる怪獣こそ
―ハサミを描けばバルタン星人に、角を描けばゴモラに見えるように―
「名」怪獣として後々まで残っていくようだ。



その「だいたい」でちゃんと記憶されることが、
その怪獣のデザイン的ポイント。
これがあると残るし、
ないと埋もれる。


ではその記憶に残るための「だいたい」とは何だろうか。

つづく。





[ 2009/02/12 01:32 ] 怪獣 空想怪獣論 | TB(0) | CM(0)