
前回、名前についてつらつら考えてみた。
おおまかに変遷をみれば、
初期は
「~ラ」「~ドン」「~ス」
といった
「怪獣的名称フォーム」に
「ぎゃおーと鳴くからギャオスなんだよ!」
と、至極
単純かつストレートな由来がはまりやすい。
「空から落ちてスカイドン」
一方で、今でも一般的に使われているのが
外来語・カタカナ語のもじり。
「葉緑体でYR(星人)」
といっても、
「ドン」群「ス」群の代表
ラドン・アンギラスも プテラノドン・アンキロサウルスから来ているので、
恐竜学名もラテン語だから
ほとんどはカタカナもじりということになる。
それゆえ
「和風」の言葉を由来にもつ名前は
目立つように感じる。
「カネゴン」「タッコング」
いずれも独創的なフォルムゆえ名怪獣だが、
居並ぶカタカナ怪獣の間で
もしただの金色の恐竜に「カネゴン」と名前がついていれば、
「どうも垢抜けないね」
と言われる危険さえありうる。
この「カタカナ」=「かっこいい」とつい思ってしまうのは
文明開化で牛鍋をつついた頃から
日本人に染み付いているんだろうか?
ところで、冒頭の
「ゲハラ問題」だが、
この名前についてもひと悶着あったのも事実。
理由は簡単、
そのネタに片足つっこんだような名前だったから。
また、
いわゆる放送業界は言葉を逆さにして呼ぶ「ギョーカイ用語」があり、
その公式にあてはめると
巧みに隠したつもりのwこの怪獣の特徴のもじりを見破られたからである!
(全然隠してない。)
それで、
改名案をいくつか考えることとなった。
「けうけげん、から『ゲンラ』?」
「森羅万象、から『シンラ』?」
私はどうしても
タイトルにダン!と来た時のイメージから
とにかく3文字にはこだわりたかったらしい。
このときばかりは文字の見栄えという点から
耳障りよりも配列による「見た目」を優先したかった。
どうも「ネガドン」より「ドゴラ」の方がポスターでみると文字の収まりがいい。
カタカナの表を作って一文字づつ入れ替えたり・・・
30秒で決めた(事実)
当初の「ゲハラ」というインパクトは、意外と強かった。Gで始まるし。
そんなこんなで、
結局別に描いていた「ガラガ」という怪獣を見て
「回文でいけるか?」
ということになり
「ラギラ」という名を第一案で提出した。
ところが、
なんだかんだで結局「ゲハラ」のままで通ってしまった。
そういうわけで、
当初は私自身も「ゲハ」と「ラ」の間で切ってしまうと
色々意識してしまうので口から出すのが恥ずかしかったのだが、
段々「怪獣」として独り立ちするようになると
『ゲハラ』という
連続した一名称として認識できるようになり、
それほど問題はかんじなくなった。
唇が付かないので発音がしづらい部分もあるが、
なんか呼ぶとノドの奥から ため息が出る感じが
この怪獣にはちょうどいいんじゃないかと。
そういえば大怪獣「ガメラ」も「ガメ」と「ラ」にすると締まりがないけど
これが一体化して「ガメラ!」って呼ぶと断然オーラが違う。
この名前で世に出た以上、
今後、ちゃんと連続した3文字で認識されていくことを願うばかりです。
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「名は体をあらわす」
なんかデザインも話も異常に(私的には)素晴らしい
モヂカラbyシンケンジャーじゃないけれど、
間違いなく
「語感」というものはある。
「アリ」は「アリ」っぽいし、「イカ」は「イカ」っぽい姿。
これは怪獣においても同じだろう。
濁音だらけの「キングギドラ」は強そうだし、
怪獣なのに清音のみの「モスラ」はどことなく清らか。
その始祖たる
「ゴジラ」。この影響力たるや、後の怪獣の「名前」はすべてここに帰結せざるを得ない。
①頭文字「G」もはや神聖化してる、王道の頭文字。
ゴジラ、ガメラ、ギララ、ガッパの4Gに加えて
ウルトラQ第一話がゴメスなので、もう避けては通れない。
とある音声学?の研究だと
男児は「ガ行」を好むという。怪獣以外にも、「ガンダム」なんかもそう。
「ガ行」=「強さ」のイメージだそうだ。
同様に、「パ行」は母性的なイメージなため、お菓子の名前によく使われるそうな。
「ポッキー」とか「プリッツ」とか。
②「ラ」なんでも「ラ」をつければ怪獣っぽく聞こえる、のはまんざらでもない。
日本人のほとんどが“刷込み”されてると思う。
この起源は「阿修羅」など仏教的信仰から来ているという説もあるが、
最初の「ゴジラ」が「ゴリラ」+「クジラ」なので、
「ラ」にするとしっくりくる理由はそこにあるとしても、
怪獣の名前に○○ラが多いのは
ほとんどこの「ゴジラ」へのリスペクトのせいだろう。
③3文字いわゆる「映画怪獣」は3文字。
これは「ゴジラ」「ラドン」「モスラ」の東宝3大怪獣によって確立されたといっていい。
これが4文字、5文字になると
敵役か、そうでなくても人間側に主役をもっていかれやすい。
もともと日本人は「3」という数字が大好きで、
「三大○○」というのを創りたがるのはそのせい。
「3」は数の集合として最も安定感があるのだろう。
これは聞いた場合も、書いた場合も同じである。
そういうわけで、
「G音」+「○」+「ラ」 が
ひとつの「怪獣っぽく」命名する公式であるだろう。
来週の・・・・・ ウルトラマンファイア は 超音速を追え を お送りします衛星生物 テルザード 登場。
猛スピードの円盤とリオ隊員の乗るソードが衝突した。
その夜からリオ隊員の様子がおかしい。
神出鬼没の怪円盤との関係とは。
来週のウルトラマンファイアをご期待下さい。
提供は、鷹見作品工業株式会社でございました。

長髪大怪獣のメイキングが載っております。
関係者の皆さんのお話を改めて聞きなおすと、
このご時世に「怪獣映画」をつくるのがいかに大変なのか、
改めて身につまされる・・・
個人的には、実際の怪獣着ぐるみがどうできるのか?という造型特集に注目です。
撮影現場でこっそり取材も受けたのですが、作業の合間で寝癖も直せず。
例示が「ゴジ逆」なのは
「好きな怪獣は?」⇒「アンギラス(初代)」と答えたからでしょうか。
シルエットのゲーさんが「けうけげんポーズ」のショットなのは謎です。
詳しくは⇒
グラフィック社怪獣以外にも、有名監督さん達のキャラデに思う所といった
インタビューもあってなかなか興味深いですよ。
特撮着ぐるみ考察のおいしい部分といえば
着ぐるみ改造。
その第一人者ともいえるエリート怪獣こそ
地底怪獣バラゴン。
その四足怪獣の決定版ともいうべきフォルムをいかして
バラゴン⇒パゴス⇒ネロンガ⇒マグラー⇒ガボラと姿を変えていったことはあまりにも有名。
平成のリバイバルでも、
ゲロンガ⇒ネロンガ⇒マグラーと活躍中。
そんなバラゴン氏の後継が
こっそりゲハラに出ていたという事実。

今回ゲハラは
着ぐるみ、
ギニョール頭部、
ロング用ミニチュアの3種類が存在。
ミニチュアとはラストで円盤に連れ去られるアレです。
例の
設計打ち合わせ時に、
「首の長さを原画よりちょっと短くします」
「ベムラーくらいですか?」
「うーんテレスドンくらいです」
と、傍に居る番組Dさんを置いてきぼりにする
怪獣暗号での会話中、
「だいたいの目安」として置かれていたのが、
ネロンガのソフビ。あのときのネロンガが後に
ツノやキバなど怪獣の強そーな部分をパージして、
ちょっと首を長くする改造を受けたうえ
モッサリ毛がもられてあのミニチュアへと変貌したのでした。
昔自分でガシャポンガボラをパゴスにしてみたことがあるけど、
どんな怪獣にもピタリはまってしまうボディ。
やっぱりスタンダード・タイプに勝るものはないようです。
公式HPによると
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭に出品された
「G」「長髪大怪獣ゲハラ」が
観客人気投票で選ばれる
「ゆうばり市民賞」を獲得したそうです。めでたい!
ある人に
「撮影後あの着ぐるみはどうなったのか?」と聴かれて
「北海道へ行った」と答えたら
「そこに(着ぐるみの)怪獣墓場があるのか…都心で捨てられるのは忍びないから
特別な墓地でもあるんかね」
と勘違いされてたゲハラさん、まだ現役です。
アトラクションショーに鍋パーティーに大活躍だったそうで。
北国の寒さを知っているのでご苦労様と言いたいです。
アイスバーンの上に新雪のつもった道路上、
登校自転車でドリフトをした後の惨状といったら…
惨状といえば

特殊メイクの魔術師、
藤原カクセイさんによって
撮影終盤にゲハラは
ズタズタのヤケド(メイク)を負ったのでした。
ベーコンの上にチーズをひいてバリバリに焼いた
<肉片>のような…ものを
着ぐるみの首にあてて
ドライヤーでしばらくぶおんぶおん。
しばらくすれば
なんとびっくり なんとリアルな…
防衛隊の猛攻でできた
大火傷が完成。
あまりにできがすばらしくて
ズッタズッタに見えるので原作者としては複雑な心持ちになるほど(笑)。
こうやって怪獣がリアルに傷つく姿に
平成ガメラテイストをちょっと見たのでした。
どうやら夕張にはそのお顔《落武者Ver.》のままご出演。
一歩まちがえればオバケ屋敷出身のようだ。
でも毛のおかげで寒さには強い…のか…?