←Aパート33、都心 地震、ゼロアがついに自ら動き出す。
アカツキ「(OFF)とうとうお目覚めか!」
ハラ 「(OFF)こいつさえ倒せば!」
ライトニングとBLUEの総攻撃、だが全て、吸収されてしまう。
一同 「!!」
シュッ!


ゼロアから放たれる光線刃、超高速で動くライトニングを一瞬、
ブースター接合部分で真っ二つにしてしまう。
墜落するライトニング。
イヌイ 「(OFF)ライトニングが!」
ゼロア、返す刀、地を走るBLUEを縦真っ二つに。
ちょうどハラとイヌイの座る間を光線刃が走る。
半分になったBLUE、落下。
敵のいなくなったゼロア、無限光線で都市を壊滅させていく。
34、病室外 ヒダカ 「リオが・・・・・ケムールに連れ去られた・・・・・!」
キョウコ「ヒダカ君、まだ起きちゃ!」
ヒダカ 「ケムールは人間の思わぬ反撃に、最後のトドメをさそうとしているんだ・・・・・」
倒れそうになるヒダカ、ぐっと踏みとどまる。
ホシノ 「!? リオの居場所が、分かるかもしれん!」
その手には、塗装の剥がれた流星バッジ。
35、円盤内 バルーン状のビームシールドに囲われているリオ。
グッと、お守りでつけていた流星バッジを握っている。
バッジから救難信号が・・・・・
36、シークレット・ロード (ホシノ達が乗って帰ってきたため、破壊を免れていた)WINDYを操縦する未来リオ、
そして助手席に瀕死のヒダカ。
ホシノ 「(無線/OFF)リオの居場所は怪獣の足元だ」
ヒダカ 「了解」
37、旧科学特捜隊作戦室 ホシノ 「頼む、もう変身はしないでほしい。LEAD総司令として、
最悪の結果はどうしても避けなくてはならない」
38、WINDY内 ヒダカ 「・・・・・」
39、旧科学特捜隊作戦室 ホシノ 「そして、友人として・・・・・ウルトラマンが負ける姿を、
また見たくはないんだ」
40、WINDY内 ヒダカ 「・・・・・それは約束できません」
41、旧科学特捜隊作戦室 ホシノ 「なぜだ!?」
42、WINDY内 ヒダカ 「ぼくがウルトラマンだからです」
43、円盤内 リオの前に立つケムール人。
リオ 「どうして町を破壊するんです!? 住む所が無いなら、話し合えば!」
ケムール「我ラニ共存ノ意思ハナイ」
リオ 「でも、戦えば、多くの命が失われます! それはあなた達も同じですよ!」
ケムール「命、ワカラナイ。命トハ何カ」
リオ 「!」
円盤の壁が壊され、WINDYが突っ込んでくる。
ヒダカ 「教えてやろう。それは生き物、一つ一つに灯る炎だ」
ケムール「!? ウルトラマン・・・・・!!」
ヒダカ 「全ての生き物が持っているもの。それは命、未来、
そして希望だ」
走るヒダカ、ショットでリオのビームシールドを
瞬時に破壊する。
ヒダカ 「来い!」
走ってくるリオ。
そこを、ケムール人のビームが狙う。
撃ち返そうとするヒダカ、だがここで、力が抜け倒れてしまう。
撃たれるリオ、の前に未来リオが割って入る。
撃ち抜かれる未来リオ。
ヒダカ 「くっ!」
倒れた体勢のままでケムール人を撃つヒダカ。
消滅するケムール人。
44、都心 透明迷彩を失い、瓦礫の都市に墜落する円盤。
45、円盤内 未来リオ「お願いします・・・・・やっぱりゼロアを倒せるのは、
隊長・・・・しかいません・・・・・」
ヒダカ、そっとブレイズタイマーを2人のリオに手渡す。
ヒダカ 「これは、君達に希望の炎がある証だ」
リオ 「希望・・・・・」
ヒダカ 「君達人間が、今度こそ新しい、立派な未来を創り上げた時、受け取りに帰る」
ゆっくりと出て行こうとするヒダカに、
リオ 「待ってください、これを・・・・・」
流星バッジを手渡す。
リオ 「おじいちゃんからもらったお守りです。これがあれば、
どんな敵でも・・・・・どんな事でも・・・・・
絶対、絶対に乗り越えられます」
ヒダカ 「―――わかった」
46、都心 光線刃が襲いくる地上で、全然効かないが
それでも懲りずにショットを撃ち続けていたハラ達。
そこをヒダカが走り抜ける。
イヌイ 「ヒダカさん!?」
ハラ 「大将!? そっちは危ねエ!!」
ヒダカ 「ボカァ不死鳥、すぐ帰って来るさ!」
ヒダカ、ゼロアに向かっていく―――
47、円盤内 リオの手の中で、ブレイズタイマーのリミットゾーンが開く。
その輝きと、ファイアの変身が重なって―――


48、都心 Burst Limitのファイア、カラータイマーが赤々と輝く。(点滅なし)

数秒のにらみ合いから、左右の
フェザースラッシュ!
光線刃にはじき壊される。
さらにファイア、
ダブルフェザー・リング!
が、それも胸のブラックホール・ゾーンに吸収されてしまう。
妖しく左右に揺れながら一気に間合いをつめるゼロア、

手刀一撃でファイアをビルの瓦礫にふきとばす。
ファイア「ダハーッ!」
49、避難所 大苦戦のファイアの姿をモニターで見ている人々。
子供の手には、一度捨てたはずの人形が戻っている・・・・・
50、都心 ファイア、全霊を込めたソルゼウム光線の構え。
51、その地上 未来リオ「いけない・・・・・また吸収される! 滅亡が・・・・・」
リオ 「大丈夫! まだ炎は燃えているもの!」
その手のタイマー、リミッターがじわじわと降りてくる。
52、都心 激しく点滅するカラータイマー。
ゼロア、既に光線を吸収する構え。
ファイア「シュワッ!」
放たれる
ソルゼウム光線!
しかし、それはゼロアではなく、その背後、3本目の塔を破壊した。
さらに身構えて一瞬隙を作ったゼロアに、
ウルトラアーチ!
空高く投げ上げられたゼロア。
ファイア、全力を込めて飛び上がり、そのまま宇宙へ運んでいく。

皆が空を見上げに、口々に、
「ウルトラマン!」
と叫び――
53、太陽付近 
暴れるゼロア、ついにファイアを弾き飛ばすが、太陽の引力圏に捕まる。
ファイア、そこに切り札、
ソルゼウム光線!

しかしゼロア、胸からの光線でソルゼウムを反射。
打ち返された光線がカラータイマーを直撃、粉砕する。
真っ赤な光を放ち、光の粒子となり始めるファイア。
しかし、さらに光線を浴びせられながらも、体ごと押し返していき、ついにゼロアと組み合う。

そのままゼロアともども太陽に突入、
プロミネンスの中に消える―――。

爆発。
54、都心・地上 ブレイズタイマーの光が消える。
リオ 「(ブレイズタイマーを見つめて)炎が・・・・・消えた・・・・・」
倒れる未来リオ。
抱き起こすリオ、その未来リオの手は液状に変化していた。
リオ 「!」
未来リオ「時空移動に耐えるには、肉体を変えなければならなかった
の・・・・・なぜ私達が絶望したか・・・・・これ・・・・・未来の私達の姿こそ、
あのケムール人だったからよ」
リオ 「!?」
未来リオ「崩壊した地球を脱出し、液体の体で長い放浪生活を送るうちに
元の姿への戻り方も忘れ・・・・・他の惑星を侵略し・・・・・ついには実の故郷まで・・・・・」
未来リオの姿が消え出す。
未来リオ「でも、私がいなくなるということは、未来が変われるということ・・・・・
希望・・・・・ウル・・・・・ヒダカ隊長が、残してくれたんだから・・・・・」
リオ 「きっと・・・・・きっと私たちは!」
ハラ達がリオを見つける。
未来リオ「未来で会いましょう・・・・・新しい未来で・・・」
未来リオ、溶けて消えてしまう。
無言でリオの周りに集まるハラ達。
涙をふいて立ち上がるリオ、太陽を見上げる。
グラグラグラ・・・・・
揺れる大地。
サワタリ「どうした!? 塔は全て破壊したはずだぞ!」
イヌイ 「(シーバーを開いて)大地震がくる・・・・・間に合わなかった・・・・・!?」
一同 「何!!」
サワタリ「脱出だ! 全員脱出せよ!」
55、都心・全景 大地震、崩壊する都心―――
(F・O)
《 以下次回 》
<登場怪獣>
超人間 ケムール人2018年、深海で発見されたチルソナイト内から出現。
宇宙恐竜ゼロアと3本の巨大塔を使って、自分の生存に適した環境へ
地球を改造しようとした。
その正体は、ゼロアとウルトラマンファイアの戦いによって荒廃した未来に住む地球人。
亜光速宇宙船、タイム・マシンなどを駆使して新天地を探す過程で、
肉体が耐えられず液状に変化させてしまった。
そのため普通の人間の数倍の速度で老化する。
宇宙恐竜 ゼロアケムール人に操られ、チルソナイトから3本の巨塔と共に出現した宇宙恐竜。
頭頂部からは自在に軌道をコントロールし、敵を迎撃する無限軌道光線を、
腹部のブラックホール・ゾーンはあらゆる熱量・光線を吸収する。
さらに空間を歪めて移動し、打撃も強力。
その攻防一体の能力から仇名は「白いゼットン」。
◆ ◆ ◆
事実上の最終回。
11話と合わせてこれまでの話の伏線を拾い上げる回です。
1話⇒深海でチルソナイト発見
2話⇒超遠距離航行宇宙船開発
3話⇒ウルトラマンの寿命
4話⇒ソードWHITE機登場
8話⇒時間航行(タイム・マシン)の秘密裏の開発
10話⇒デラ星人が人体液状化のテクノロジーを残す
…と少しずつ置いてきた話はまとまったでしょうか?
そこにケムール人=未来人類説と「さらばウルトラマン」を絡めた一編です。
ケムール=未来人類説は「ウルトラQ倶楽部」の「2025年の使者」「諸人こぞりて」の話で
半公式化したのかな?
そして本編で書かなかった設定。
(未来)ゼロア戦で荒廃した地球、新天地を探査する宇宙船に乗り込むため
液体化実験を受ける未来リオ。このときケムール人の正体が地球人
だったことに気づく。
(未来)未来リオ、開発中のタイム・マシンを奪い2018年の世界へ。
ヒダカ=ウルトラマンを殺害し歴史を変えようとする。
(未来)人類宇宙へ。亜光速航行・時間航行の果て、一部は時間を飛び越え
ゼットン星を侵略(⇒後地球へ)。一部はチルソナイト内で太古の地球に落下。
既にケムール化。故郷であることは忘れている。
なぜゼットン星人とケムール人は同じ姿なのか?等の疑問の処理もあり、でした。
ケムール人はウルトラシリーズ最初の宇宙人(※制作順、放映順ではセミ人間が先)であり
意図して「さらば~」でゼットン星人として登板したのかはさておき因縁の相手。
「宇宙恐竜」とセットで出演をお願いしました。
そしてファイアの最期。1話を残して殉職です。
彼の元の任務は、
「初代」ウルトラマンの地球人との接触がその後どういう影響を与えているのかの調査。
…最近公式で地球防衛が光の国の出世コースみたいになってるからね。
そこまで入れ込むには何かしら理由が必要だと。「腐れ縁」?いやいや。
1クールの中にまとめるのが難しかったけれど、
もっと「死期が迫ってるけどなりゆきで地球守ってるうちに、
段々人間に情が移っていく姿」を表現したかった。
⇒次回予告