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#5 黄金怪獣 (Bパート)

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19、ソードBLUE内
                     
リオ  「きれい・・・・・攻撃なんて、できないわ」
       その目には怪獣の光が輝いている。
ハラ  「何してんだ? 下にまだ人がいるんだぞ。ボーっとすんな!」
       ガクン!
       突如、怪獣に向け急加速するソード。
ヒダカ 「リオ!」
       完全に魅入られ、操縦かんを離さないリオ。
       急降下、ソードはぐんぐん怪獣に向かっていく。
ヒダカ 「イヌイ、緊急停止だ!」
       しかしイヌイも、データ画面の怪獣の姿に魅入られて動かない。
ハラ  「おい、お前まで!」
       ドシン! 激突の衝撃。

20、夜の平原                          

       怪獣の頭部にくっついたソードBLUE。
       ソードが怪獣にじわじわめり込んでいく。

21、ソードBLUE内                      

       全員気絶している。
       怪獣に触れている機首からどんどん黄金に変わっていくソード機。
       そして機内まで、隊員達までも黄金に変わってしまった。
       一人何事もないヒダカ。
ヒダカ 「彼らの心も、あの黄金に魅入られてしまうのか」
       ブレイズタイマーを取り出す。
       変身。
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22、平原                            

       怪獣の前に現れるファイア。
       両手をクロス、体勢を低く構える。
       両肩のウイングが光る。
       シュウ!

       光のカッター、ダブル・フェザースラッシュ!

ファイア「ヘアッ!」
       ファイアが前に伸ばした拳を合わせると、2つのスラッシュが重なり、
       リング状、光輪となる。

       リング、怪獣とソードの接点を切り裂く。
       金色に輝くソードをキャッチし、地面に置くファイア。
       怪獣に向かって構え直る。

       そこへ、夜空が光り、研究所から逃げ出した隕石のカケラ
       ―といってもすでに数メートルに巨大化している―が、
       怪獣の切断された頸部に落ちてくる。

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       みるみる怪獣から生えてくる長い首。

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       ドライゴン、黄金の完全怪獣体となった。

ドライゴン「カラララ・・・・・」
       ドライゴンの吐く光線が、当たった場所を黄金に変える。
       ファイアにも吹きかけるドライゴン。

       Quiet Limitに光線技を使って体力を消費したファイア、
       反転して避けようとするもかわしきれず、片足が黄金に。
ドライゴン「カラララ!」
       長い首と、尻尾で動きの鈍るファイアを滅多打ち。

       ファイアを吹き飛ばし、満月を背に雄たけびを上げる。
       ダメージに立つに立てないファイアの上を、
       駆けつけたFASTのブースターソードRED2機が通過する。
       ブースター分離。

22、ソードRED・アカツキ機
                  

アカツキ「これは!」
       コクピットから見える平原はあちらこちらが黄金に輝いている。
       黄金と化したソードBLUEも見える。

23、平原                            

サワタリ「全機、接近は十分注意しろ、攻撃!」
       ソードから放たれる瞬光弾。
       ドライゴンも黄金光線を打ち返す。
       ミサイルが金色になるが、勢いは止まらずドライゴンの体に突き刺さる。
       金粉のように舞い散るドライゴンのウロコ。

       ファイア、これを好機、と反撃を開始する。
       ミサイルで追った傷を集中攻撃され、劣勢のドライゴン。
       その角が光る。
ドライゴン「カララア!」
       すると、地面やソードにくっついていた黄金がはがれ、
       ドライゴンと組み合っているファイアの背後からドライゴンにくっつき、
       傷が再生する。

       同時に、ファイアがドライゴンの体内に引きこまれ、
       その首から上が埋まってしまう。

       苦しみもがくファイア。

       その時、タイマーが赤に変わる。
       ファイアの背に走る赤い光。
ファイア「ダハーッ!」
       地面を蹴り上げるファイア。
       その体が赤い光の矢となり、ドライゴンの体を貫く。

       ドライゴンから脱出、着地するファイア。
       ドライゴンの腹に大穴が開き、その金色の破片が周囲に巻き散る。

       すぐさまソルゼウム光線の構え・・・・・のファイアだったが、
       何かに気づき、すんでの所でやめる。
イザキ 「隊長! 人が・・・・・下にたくさんの人間が!」

       飛び散った金色の破片を求めて、人々が押し寄せてくる。
       落ちてくる破片を巡って争う人々。
       破片を取り損ねた人々が叫ぶ。

男   「もっと、もっとくれ!」
女   「怪獣、怪獣、もっと大きくなれ!」

       ドライゴンの背中の突起が、羽のようにずんずん伸びていく。
       ファイアの時間も、残り少ない。
       そして全ての人間が叫び始める。

人々  「怪獣、怪獣、もっとくれ!」

       ファイアの目の前で超巨大化していくドライゴン。
       背中からは巨大な羽のようなものも生え出し、
       無数に増えた首も四方に伸びていく。
       その輝きもどんどん増していく。

サワタリ「か、回避だ! 離れろ!」
       その巨大さに、ソードREDも逃げる。
ドライゴン「カララ・・・・・ラ・・・・・」

       しかし、突然ドライゴンの顔が歪む。
       大きくなった体がみるみる膨張し、ふくれていく。

       そして、体内から光が漏れ出し、
       ドオオ・・・・・!
       自爆したドライゴン。
       その破片も蒸発するように消えていく。
       持っていた金が消えて阿鼻叫喚の人々。
       顔を背けるようにファイアは空へ――

24、ソードRED・サワタリ機                  

サワタリ「恐ろしい怪獣だった。欲望のままに無限に増長する。
      ・・・・・いや、怪獣は――」

25、空(夜)                          

       輝いていた満月も、雲に隠れていく。 

                      《 以下次回 》

〈登場怪獣〉

宇宙合金 ドライゴン
持ち主の精神に感応し、最も心を支配する物に変化する。
即ち、欲望なら金に、恐怖なら怪獣へと変化した。
総体が金属なので切れたり繋がったりする。
名前は「キングギドラ」と三ッ首の「トライ」から。

〈もとネタ〉

KCB  …「ウルトラマンガイア」のTV局
怪獣がキングギドラっぽい…「謎の恐竜基地」ジラース戦から。流用つながり。

⇒次回予告

黄金怪獣、読みました

こんにちは。今回も興味深く、目を皿のようにして読ませて頂きました。まず首のない怪獣が出現するところが大変ユニークですね。設定的にはギャンゴと似た怪獣ですが、こちらは誰の願いでも反映してしまうところがポイントですね。ラストで怪獣に群がる群集のシーンが印象的でした。怪獣の最期は「え、もう終わりなの?」とも思いましたが、怪獣よりも恐ろしいのは人間の欲望…ということで、納得です。それにしても、ストーリーの構成が非常に上手いなと、毎回感心しております。実際にテレビで放送されているウルトラマンよりも、鷹見さんの脚本の方が、内容も大人っぽくて私は好きです。いっそのことウルトラマンではなく、鷹見さんオリジナルのヒーローの物語も読んでみたいです。マグリッタ星人にもご感想ありがとうございました。ちなみにpixivでプロフィールを拝見しましたが、私も出身は福島県(福島市の飯坂温泉)ですよ。
[ 2009/05/25 20:34 ] [ 編集 ]

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