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#7 北へ!(前篇) (Aパート)

空想特撮シリーズ
ウルトラマンファイア


   北へ! (前篇)


登場人物

      ヒダカ・マコト
      ナナセ・リオ
      ハラ・カツヒコ
      イヌイ・ケイスケ

      アカツキ・マヤ
      イザキ・シュウジ
      ムカイ・イチロウ
      サワタリ・イサミ

      ホシノ・イサム


      ジェイ(パリ中央支部副指令)
      管制隊員



      南極怪獣ペギラ
      次元竜鳥クオン
      重甲怪獣ドモス


      ウルトラマンファイア

1、 南太平洋                           

       S「南太平洋 某日 日本時間a.m.11:30」
       快晴。
       大海原を航行する遠洋漁船。

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2、船の甲板                           

       操舵室のラジオから流れる気象情報。
ラジオ 「東経××度、南緯××度、無風、晴・・・・」
       しかし船員は誰も耳を貸さず、空の同じ一点を見ている。

3、空                              

       太陽の光を遮り、怪しい黒雲が広がる・・・・・。

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       画面が黒く覆われ、さらにタイトルが浮き上がる。

      「ウルトラQ 空想特撮シリーズ」
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4、タイトル                           

      「ウルトラマンファイア」
      「北へ! (前篇)」
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(F・I)  クレジット・タイトル―――      (F・O)
      「南極怪獣ペギラ
       次元竜鳥クオン  
       重甲怪獣ドモス  登場」

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5、特専ミーティングルーム                    

       S「LEAD本部 a.m.11:35」
       画面いっぱいのハラの顔面。
ハラ  「北へ行く? ついに・・・・・左遷・・・・・地方転勤かァ・・・・・?」
ヒダカ 「そう早まるなよ。れっきとした任務さ」
       メイン・スクリーンに世界地図。
       北太平洋地域が拡大される。
ヒダカ 「数時間前、北極海から国際救難信号をキャッチした。
     何か事件、事故があったのかもしれない。」
       こっそり小さく、手を上げるリオ。
リオ  「隊長、私・・・・・今回は・・・・・」
ヒダカ 「ん? どっか悪いのか」
リオ  「い、いえ! 別に・・・・・」
       ヒダカの椅子で寝ていたシャイン、あくびして丸くなる。

6、格納庫                             

       ブースターソード・BLUE、発進スタンバイ中。

7、ソードBLUE 
                        

       操縦席にリオ、隣にヒダカ、後部にはイヌイとハラ。
       リオ、念入りに指差し点検中。
リオ  「燃料よし! ブースター異常なし! あっ! ハラ隊員、
     ちゃんとベルトを締めて下さい!」
ハラ  「なんかいつも以上に厳しいな。何をそんな神経質になってんだ?」
       リオ、ますます真剣な面持ちに。
リオ  「これから温度に『マイナス』がつく世界にいくんですよ。
     そんなところで遭難でもしたらどうするんです? 想像しただけで背筋が・・・・・」
ハラ  「ははあ、おめえ寒がりだな!」
リオ  「(ぐっ)!」

8、基地内滑走路                          

ヒダカ 「――では改めて、出動!」
       いつもどおりBLUEが加速態勢に入る・・・・・が、
       ガクン、突如急ブレーキ。

9、ソードBLUE                         

       反動で全員つんのめる。
ハラ  「・・・・・シートベルトって、大事だなあ」
管制隊員「(OFF/無線)エマージェンシーコールです。
      現時点で滑走路は優先的にFASTが使用します」
       ピー! 別回線からの通信。

10、滑走路                            

サワタリ「(OFF)そういうことだ。先に失礼する」
       加速ラインから引き込みに移動するソードBLUE。
       キーン!
       それを尻目に、颯爽とソードREDが2機、次々に
       出撃していく。

11、ソードBLUE                        

       FASTの出撃を見送っていた一同。
リオ  「(衝撃でふらつく頭をさすりながら)一体何が起きたって
     いうんです・・・・・! 急に割り込んで!」
       後部座席のイヌイがモニターのキーボードを叩く。
イヌイ 「南太平洋上空に、未確認飛行物体を感知!
     現在、気流の境目に沿って、本土に接近中!」

12、空                              

       S「太平洋上空 a.m.11:39」
       雲を裂いて、2機のソードが高速飛行してくる。

13、ソードR・アカツキ機                     

アカツキ「取り逃がしただなんて、南太平洋支部の連中は何をしていたんだ!」
イザキ 「報告では、そいつに触れた途端に、機体が浮き上がって操縦不能になったそうだ。」
アカツキ「触れるだけで操縦不能・・・・・?」

       ピー!通信信号。

サワタリ「(無線/OFF)敵は前方10キロ、攻撃準備!」

14、太平洋上空                          

       快晴の青い空。
       その中心から、どんよりと暗く黒い雲がわいてくる。

15、ソードR・サワタリ機                     

アカツキ「(無線/OFF)あれは・・・・・雲だろ?」
       ターゲットスコープを立ち上げ、サワタリの表情がさらに厳しくなる。
サワタリ「その雲に南太平洋支部は足をすくわれたのだ。
      ただの雲ではないことは確かだぞ。侮るな!」

16、太平洋上空                          

       それぞれのブースターが切り離される。
       キーン!
       雲の左右にわかれ旋回、急上昇するソード2機。
サワタリ「(OFF)陣形Uの02『雷鳴』、いくぞ!」
       垂直降下する2機のソード。
       照準に黒雲を捉える。
       パパパパ!
       発射された瞬光弾、黒雲へと吸い込まれていく。

17、サワタリ機                          

       反応を待つサワタリ、はっとする。

18、空                              

       ピカッ!

       黒雲が光る。
       すると、あろうことか先ほど放ったミサイルが吹き飛んで出てくる。
サワタリ「(OFF)全機退避!」
       ミサイルは反転するソード機の真横をかすめ、
       互いに衝突、爆発。

       爆風の衝撃を受け、激しく揺られるソード機。
       爆炎が広がる中から、叫び声。

       ギョオオーン!

       目蓋が半ば開き、光る巨大な目玉。
       続いて広がる翼。

       ピギャーオ!

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       黒雲に身を隠していた南極怪獣ペギラが、海上でその
       巨体を空中に浮かせている。

       その翼をゆらりと一振りすると、無重力地帯が発生、
       海水が空高く舞い上げられ、その荒波を受けたソード機、まだ安定を保てない。


19、アカツキ機                          

       激しく揺られているアカツキとイザキ。
アカツキ「操縦かんがきかない?」
イザキ 「怪獣は飛ぶときに、周りを無重力にしているんだ。
     一旦回避して、体勢を立て直すぞ!」

20、上空                             

       ペギラの真横を滑空していくアカツキ機。
       それに横目で気づいたペギラ、首を曲げてゆっくり口を開く。

       カッ!

       口から放射される零下130度の冷凍光線。
       光線は、海しぶきを氷の粒に変えつつ伸びる。
       光線に包まれたアカツキ機、氷結し墜落、着水する。

21、サワタリ機                          

サワタリ「イザキ! アカツキ!」
       ピー! アカツキ機からの通信。
イザキ 「(無線/OFF)ツウ・・・・・! 大丈夫です隊長」

22、アカツキ機                          

       窓は分厚い氷に覆われている。
       計器のほとんどが停止し、非常モードに切り替わっている。
       白い息を吐きながら通信するイザキ。
イザキ 「ただエンジンが凍り付いて動けません。我々に構わず怪獣を!」

23、上空                             

       ペギラの背後に回るサワタリ機。
サワタリ「(OFF)発射!」

       パパパパ!

       ソードから連射される瞬光弾。
       ペギラの首筋に全弾命中し、ペギラは目を回す。

       パパパ!

       光線を放射しようとするその口に、容赦なく瞬光弾が注がれる。
       たじろいだペギラ、今度は煙幕を吐き始め、逃走の構え。
ムカイ 「(OFF)怪獣が逃げます!」
サワタリ「(OFF)見失うな! 追うぞ!」
       水しぶきを上げて、ペギラを追い加速するソード。
       その時、突如空にオーロラが現れる。
       オーロラに奇怪な渦が現れ、そこへ突入したペギラ、姿を消す。

24、サワタリ機                          

ムカイ 「レーダー、赤外線、全てに反応なし! 完全に消滅しました・・・・・」
       額にじっとりと汗をかいたサワタリ。
サワタリ「怪獣が、消えた・・・・・」

25、北極海上空                          

       S「北太平洋上空 a.m.11:45」
       霧に包まれた海上を飛ぶソードブルー。
       あちこちにオーロラが見える。

26、ソードBLUEの中                      

ハラ  「そろそろFASTが怪獣を撃退した頃じゃねェか」
イヌイ 「本部によると、現れたのは南極怪獣ペギラ。
     50年前に南極で一度、東京で一度確認されたのと同一個体」
ヒダカ 「極寒の光線を吐く凶暴な奴だが、逃げ足も速い、しぶとい奴さ」
リオ  「私も祖父から聞いたことがあります」
       行く手にペギラが見える。
リオ  「確かあの怪獣ですよね?」

27、霧の中                            

ハラ  「(OFF)って、なんでここに怪獣が!」
       ペギラとBLUE、正面衝突寸前!
ペギラ 「ガアーッ!」
       大口を開けるペギラ。
       刹那、ペギラとBLUEの間にオーロラのカーテンが現れる。
       そのオーロラに吸い込まれるソードBLUE、消えてしまった。

28、異空間                            

       オーロラと霧のゆらめく怪空間に巻き込まれているBLUE、不安定に回転している。

29、ソードBLUE                        

リオ  「隊長! 操縦不能です!」
ハラ  「なんだここはァァァ!」

30、異空間                            

       その先に、異空間の抜け道が光る。
       そこへ落ちていくBLUE。

31、大雪原                            

       空からまっさかさまに落ちてくるBLUE機。

7-4

       地面に衝突―――と、
       ズズズズ・・・・・
       ブ厚い氷雪の上に不時着する。

⇒Bパートに続く

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