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#11 炎が消える日 (Aパート)

空想特撮シリーズ
ウルトラマンファイア

   炎が消える日


登場人物

      ヒダカ・マコト
      ナナセ・リオ /2020年のリオ
      ハラ・カツヒコ
      イヌイ・ケイスケ

      アカツキ・マヤ
      イザキ・シュウジ
      ムカイ・イチロウ
      サワタリ・イサミ

      ホシノ・イサム

      トヤマ・ヨシマサ
      クサカベ・キョウコ
      シライシ主任
      カミコウチ博士
      
助手1
      助手2
      方面隊長
      方面隊員
      女
      男1
      男2

      超人間ケムール人
      宇宙恐竜ゼロア

      ウルトラマンファイア


1、都市(夜)                           

      「ウルトラQ 空想特撮シリーズ」
aban1

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aban5


11-3

       空に、巨大な隕石(チルソナイト)が浮かぶ。

N   「それは不思議な夜だった。全ての者が、普段は夜に寝床につかない者まで、
     皆同じ夢を見たのだった」

2、都市  
                            
       赤い空、壊滅した都市。
       撃墜されたソードの残骸。

       ファイアと宇宙恐竜ゼロアが戦っている。

11-1

       そのカラータイマーは激しく点滅、ゼロアに全く歯が立たない。
       タイマーが鳴り響き、体内エネルギーが暴走・漏れ出し・・・・・爆発。

11-2

       ゼロアも誘爆、地上は壊滅した。
N   「しかし、目覚めたとき、その夢は忘れ去られた」

3、タイトル                            

      「ウルトラマンファイア」
aban6

      「炎が消える日」

11-t

(F・I)  クレジット・タイトル―――       (F・O)

      「超人間ケムール人 登場」

11-tb

4、東京郊外・安らぎの碑                      

11-4

      「安らぎの碑」と印された塔に、花を手向けるリオ、合掌。
      ホシノ司令も胸に手を当て黙祷。
ホシノ 「この碑は怪獣災害で命を失った人達のために建てられ、
     平和への誓いを示すものだ。一度連れてこようと思っていたんだよ」
リオ  「天気も穏やか、事件もないし、こんな平和な日が、ずっと続いたらな・・・・・」

5、LEAD基地・食堂                       

       ハラ・イヌイがのんきに食事をとっているテーブルへ、
       カレーの大盛皿を持ったヒダカがやってくる。

       ヒダカ、顔色が悪い。

イヌイ 「あれ、また寝不足っスか?」
ヒダカ 「あ、ああ。ちょっと体が重くてな・・・・・(カレーを差出し)食うか?」
ハラ  「じゃ、遠慮なく」
       一口、と食べたハラの舌が炎上する。
ハラ  「み、水!! 水!!」
イヌイ 「まったく。ヒダカさんが超辛党だってこと知ってたくせに」

  バタリ、とイスから転げるヒダカ。

ハラ  「大将!?」
イヌイ 「ヒダカさん!」

       大騒ぎになる食堂。
       ヒダカは呼びかけに答えなかった。

6、格納庫                            

       移送ヘリコプターが着陸する。

N   「この隕石を覚えているだろうか・・・・・・。あの時、深海で
     怪獣アランガに襲われた探査艇が発見していた隕石である。
     それがこの日、数億年ぶりに陸上に現れたのであった」

       ヘリに積まれていたのは隕石
       (チルソナイト=第1話で行方不明になった物)。

7、モニター                           

11-5

       チルソナイトが流れ着いた海岸の画像。
カミコウチ
     「(OFF)こんなノドカな日は、研究室なんかにこもらんでいたいがね」
助手1 「(OFF)漁協に引き取るように強く要請されまして。
     先日になって突然海岸にうちあげられたそうです」

8、ブレーンズフロア・研究室                   

       その大きさで研究室の大部分を占拠した隕石。
       見上げるカミコウチと、その助手二人。
カミコウチ
    「とりあえず、内部を透過して、ナニモンか調べてみるか。
     ・・・・・この表面、随分と長く海の底で寝ていたようだ」

    表面の泥をぬぐうと、銀(多少青め)色の表面が出てくる。
カミコウチ
    「うーん、この質感は・・・・・ウーム、ウーム」

       隕石の底から怪しい液体がじわじわ染み出し、カミコウチ達の足元へ。

カミコウチ
    「そうだ。宇宙金属チルソナイトだ・・・・・
     !?(体が沈み出す)    ウワーッ!」

       2人の助手も同じように液体に吸い込まれていく。
       と、液体が徐々に立体を作り上げ、終いにカミコウチ達の体を形作る。

9、ひとけのない道路                        

       リオとホシノの乗った特装車WINDYが走っている。

10、特装車WINDY                          

リオ  「久しぶりにお話できて楽しかったです」
ホシノ 「はは、それはよかった。例え3時間でも、休みをくれたみんなに感謝しよう」

リオ  「一度聞いてみたかったんですけど、おじいちゃんが昔、
     隊員だった頃、一番苦戦した怪獣は何だったんですか?」
ホシノ 「そうだな、一番強い怪獣。最大の怪獣は・・・・・人間かも
     しれない」

リオ  「人間?」

ホシノ 「確かに、いままで色んな奴と戦った。そしてウルトラマンに
     何度も助けられた・・・・・。
     だが無敵のウルトラマンを目標に、人間は科学や装備を発展させ、
     自分の手で怪獣を打ち倒すまでになった・・・・。
     でも、その力の使い方を間違えば、人間も・・・・・・」

11-6

       正面の道路に黒服の女が立っている。
       慌ててハンドルを切るリオ。

11、道路                             

       辛うじて女を避けるWINDY。

12、WINDY                          

リオ  「あ、危なかった。なんで急に人が!?」
ホシノ 「LEAD隊員たるもの、常に周りに注意を向けてなければならんぞ」

リオ  「でも・・・・・(バックミラーを見る)!」

       女がWINDYに向かって走ってくる。

リオ  「わ、わ!」
       思わず速度を上げるWINDY。
ホシノ 「急にどうした、リオ!?」
       動転しているリオ、ふと横を見ると、

       すたァん、すたァん・・・・・

       女がWINDYに併走している。

リオ  「きゃあ!」

       女はWINDYを追い越して走る。

       と、タァン! 跳ねて見えなくなる。

リオ  「消えた!?」

       次の瞬間、ボンネットに着地する女!
       女の顔を見て、驚くリオ、ホシノ。

       その顔は・・・・・リオ隊員そのもの、全く同じ顔であった。

       リオ、思わず急ハンドル。

13、道路                             

       スリップ、大回転して止まるWINDY。
       ボンネットに乗る女、顔色ひとつ変えず、

女   「早く、早く基地に連れて行って!」

14、メディカルフロア・病室                    

ヒダカ 「ちょっと疲れが溜まっただけだ。心配ない、心配ない」
イヌイ 「そうっスか・・・・・さすがの不死鳥も、やっぱり疲れはするんスね」
ハラ  「じゃ、ドクター、大将を頼むぜ」
キョウコ「はいはーい」

       病室を出るハラ、イヌイ。

キョウコ「あれでよかったのね」
ヒダカ 「・・・・・」
       汗を滝のように流し、苦しむヒダカ。
キョウコ「体温が常人のものじゃないわ。よっぽど無理を重ねたようね。
     ヒダカ・・・・・いいえ・・・・・・
     ウルトラマン」
ヒダカ 「・・・・・はは、ばれてたか」
キョウコ「元々のヒダカ君が変わり者だったから気づかれなかったみたいだけど、
     普通プロの目は誤魔化せないわ。
     レントゲンも絶対とらなかったしね」
ヒダカ 「・・・・・」
キョウコ「確かに人間にとってあなたの力は大きかった。でも、
     あなたの力を借りなくても・・・・・ま、多少被害は大きく
     なるだろうけど、人間は怪獣を倒せるだけの力を持っているわ。
     この辺で、少し休んでもいいんじゃない?」

ヒダカ 「私の命は・・・・・・もうすぐ消える」
       ブレイズタイマーを取り出す。

ヒダカ 「私の中で暴走する、太陽エネルギーを抑えられなくなった。
     いつ戦いの最中に爆発するかわからない。そうなる前に・・・・・
     私は地球を去ることに決めた」
キョウコ「そう・・・・・・」

       グラリ!

       突然、基地に激震が走る。

16、シークレット・ロード                     

       全速力で走るWINDY。

17、WINDY                          

       運転席のリオ、助手席にホシノ、後部席にもう1人のリオ。
リオ  「あなた、どこから、どうやって、何しに来たんですか!?
     それに、なんで私と同じ顔をしているんです!?」

女   「私は2020年の時間上の地球から来た」
リオ  「2020年? 2年後・・・・・?」

未来リオ「西暦2018年の今日、地球の崩壊が起きる・・・・・!」

       パラララ、ホシノのシーバーに通信が入る。
トヤマ 「総司令・・・・・基地が・・・・・基地が!!」
ホシノ 「どうした!? トヤマ!?」

15、格納庫                            

隊員1 「博士、何を・・・・・!?」
       気絶する隊員。

       そこに、カミコウチ博士と2人の助手が。
       ソード各機が配置された格納庫。
       ぎりぎりと手を握るカミコウチ。

       ドドドン!

11-8

       次々と爆破されるソード。
アカツキ「あそこだ!」
       FASTの4隊員が走ってくる。
ムカイ 「基地のマザーコンピュータ、動力炉・・・・・ソードまで・・・・・!」
サワタリ「カミコウチ博士、何故こんなことを!?」
       逆方向に逃げ出すが、そこにハラとイヌイが到着する。

ハラ  「げっ、犯人は博士かよ!? ついにボケたのか!?」
イヌイ 「それにしても、このアリサマは・・・・・!」
       両手を挙げるカミコウチと助手達。

アカツキ「降参・・・・・か!?」

16、研究室                            

       チルソナイト隕石が動き出す。

17、格納庫                            

       外壁を突き破ってチルソナイトが出現。
       衝撃で吹き飛ばされるサワタリ達。

       そこに全速力から急停止、WINDYが到着する。
       降りるホシノ達。

       博士達の体から液体が抜け出し、その形が人型―――
       ケムール人になる。

11-17

ケムール「フォフォフォ!」
ホシノ 「・・・・・・ケ、ケムール人!」

ケムール「5億年ノ眠リノ果テ、ツイニ我ラノ住ムベキ星ヲ見ツ
     ケタ。惑星改造ヲ始メヨ、ゼロアー!」
       勢いよく空中に浮上するチルソナイト。

18、LEAD基地                         

       基地をぶち抜いて浮上したチルソナイト、空へ消える。

11-7

19、格納庫                            

       オーヴァル=ショットを構えた隊員達に囲まれる3人のケムール人。
アカツキ「よくも俺達の本部を! 貴様ら、博士に化けていたのか!」
ケムール「フォフォフォ・・・・・宇宙デハ体ノ形ヲ変エルノハ珍シクハナイ・・・・・
      コレカラコノ星ヲ、『ゼロア』ガ我ラニ住ミヨイ星ヘ・・・・・」

       未来リオ、リオからショットを奪い、
       間髪入れず、次々とケムール人にビームを放つ。

ケムール「フォオ・・・・・」
       溶けてしまうケムール人。
サワタリ「何てことをした! まだ奴らの目的を完全に聞きだした
      わけではないんだぞ! 誰だお前は・・・・・お前・・・・・
      ナナセか!?」

イヌイ 「ナナセ隊員が、2人!?」
未来リオ「聞かなくても私が知っている。彼らは侵略者だ。強固な宇宙金属、
      チルソナイトの中に液体となり5億年の間、
      新しい母星を求め宇宙を放浪していた。
      2億年前、彼らは地球に辿り着き、海の底に潜んでいた・・・・・
      そして彼らが目覚めたこの日、パンドラの箱が開き、滅亡がはじまる」
アカツキ「滅亡!? 何を根拠に!」

未来リオ「私は見たんだ!!」

       その迫力に皆一瞬言葉を失う。
ホシノ 「君はさっき2年後・・・・・・2020年に地球が崩壊すると言ったね。
     地球はケムール人によって滅ぼされてしまうのか?」

未来リオ「いや、地球を壊滅させたのは・・・・・」

未来リオ「ウルトラマンよ!」

全員  「!!」

未来リオ「この戦いの結末を、この時代の人間全てに、夢で見せたはずだ」

       皆ハッとする。

イザキ 「そういえば、そんなことが・・・・・」
イヌイ 「思い出した! 確か、ウルトラマンが爆発して、地球が・・・・・!」
リオ  「でも、ウルトラマンは私達のために戦ってくれたんでしょう!
     滅亡がなぜウルトラマンのせいになるの!」

未来リオ「それが滅亡の始まりだった」
リオ  「え!?」

未来リオ「ウルトラマンがケムール人を撃ち滅ぼしたことで、人類は
      絶滅だけは免れた。でも、その後に何が残ったと思う!?
      爆発でほとんどの地域が消滅した地球で、
      生き残った人間同士が争い合って・・・・・」

ハラ  「なんてこった・・・・・最期は人間同士が」

未来リオ「苦しみ、悲しみ、絶望・・・・・。だから私達人間は、
      ウルトラマンに助けてもらわずに、この侵略で全滅したほうがよかった!
      全てが無くなることが本当の平和だったのよ!」

20、都心上空                           

       浮かぶチルソナイト。

11-9
       
       その中心に亀裂が走り、中から青い玉が1つ、黒い玉が3つ現れる。

11-10

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       3つの玉は三方向へ散り、それらは3本の超巨大な漆黒の柱に変形、
       それぞれ地上に落下、突き刺さる。

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       最後に青い玉が膨らんで、爆発!

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11-15

       宇宙恐竜ゼロアが空中に出現。

       ゼロアはゆっくりと都市に着陸してくる。

11-16

       塵ひとつたてない、ゆっくりとした着地。
       が、次の瞬間、衝撃が駆け巡り、
       一瞬で周囲のビル街は完全に吹き飛ばされる。

       逃げる人々。

       まるで塔の様に沈黙して立つゼロア。

⇒Bパートにつづく

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